県立医大(福島市光が丘)は25日、保険適用外の治療を受けた付属病院の患者から研究費名目で受け取った寄付金が、04~08年度に総額約2443万円に上ると発表した。保険外の治療費を寄付でまかなった形になっており、同大は今後、寄付の依頼を担当医でなく事務職員が行うなど改善していくという。
同大によると、問題の寄付は心臓血管外科学、外科学第1、2、内科学第2、放射線医学の5講座で、患者74人分、計104件が確認された。保険診療と保険外診療を併用する「混合診療」は国が原則禁止しているが、同大では今年10月、心臓血管外科学講座で混合診療の疑いのある寄付が明らかになった。
同大は今後、寄付対象を全入院患者や外来患者に広げ、依頼は事務職員が文書で行うという。会見した丹羽真一・副理事長は「治療費自体を患者から受け取ったと誤解されないよう、今後は診療行為に関連した寄付は求めない」と話した。
また東北厚生局は、先月19日に同大から聞き取りするなど調査を進めている。同局医療指導課は「今回発表された分も含め、引き続き調べていく」としている。【松本惇】
毎日新聞 2008年12月26日 地方版