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| 今回は、スーパー耐久シリーズの ST クラス 1 の 2007 年王者であるベテランの影山正美選手に、アップグレード (パーツ交換) やチューニングの話をうかがうことにしました。場所は、影山選手が開発ドライバーとして契約している、日産のモータースポーツ部門ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル (NISMO) の本社社屋。走らせてもらう車種は、影山選手がチャンピオンを取ったマシンである、日産「Z33型フェアレディZ」です。しかも、同じフェアレディ Z でも、北米仕様 (左ハンドル) の '07 年モデル「2007 Nissan 350Z Grand Touring Coupe」(以下、350Z) で走ってもらうことにしました。なお、350Z は、Xbox LIVE マーケットプレースで無料ダウンロードできる無料の追加データ「Nissan トーナメント パック」に収録されている 1 台です。『Forza Motorsport 2』は、定期的に有料・無料の車種やコースのデータが追加されている点も大きな特徴となっています。 |  |
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日本一の "Z使い" 影山正美選手が
北米仕様 07 年型フェアレディZ で筑波サーキットを疾走!
影山選手には、プレイシート+ワイレスレーシングホイールの組み合わせで、『Forza Motorsport 2』をプレイしてもらいました。コースは、初心者向けの筑波サーキットです。筑波サーキットでは、影山選手がコーチ兼選手として参加し、NISMO も協賛している、Z33 のオーナー向けの走行イベント走行イベント「Z-MASTER MEETING」(Z-MASTER ASSOCIATIONが企画・運営) が開催されており、影山選手も実際に走り慣れたコース。そこで、今回は最終的に Z-MASTER MEETING のレースである「Z-MASTER RACE」の規則に則った仕様の 350Z を作ってもらうことにしました。
イベントでレースゲームをたまにプレイするという影山選手ですが、ここまで本格的な形でプレイするのは初めてだそうです。しかし、走り出して 1 周目の 1 コーナーから、早くもラインを外さないその走りは、まさに別次元。しかも、まだノーマルの状態の 350Z なのに、レコードラインはオレンジから赤に近いという、限界域での走行です。「間違いなく Z の音がしてるね!」という影山選手。G が発生しなかったり、ブレーキペダルから効き具合が伝わってこなかったりするといった理由から、実車との直接的な比較は難しいとのことでしたが、タイム的には 1 分 7 秒台で、ほぼノーマルでの実際のタイムと一緒。そのリアルさにも感心していました。
アップグレードはまずはノーマルで徹底的に走り込んでから
本家 NISMO のパーツを装着した
Z-MASTER MEETING 仕様 350Z 登場
チューニングを行うためには、まず複数のパーツを最高級のレベル 3 (レース用) に交換する必要があることから、最初はアップグレードがポイントだということはわかります。アップグレードに関する注意点はありますか? 「実はパーツを交換する前にする必要がある大事なことがあるんだよね。それは、ノーマルの状態で走り込むということ。そのクルマのノーマル時の挙動をしっかり覚えていない状態でパーツ交換をすれば、混乱を招くだけ。パーツ交換をしたことで、どこがどう性能アップしたかを把握できるようにするため、基準を覚えておく必要があるというわけだね」。
それでは、パーツ交換の順序に関してはいかがでしょうか。「実際の場合は、タイヤとホイールから。タイヤを太くしてよりグリップのいいコンパウンドに換えて、ホイールも軽くする。すると、次にブレーキに負担がかかるようになるから、より制動力のあるものに変更する。その次は駆動系のデフ。こうして、あるパーツをより性能のいいものに交換すると、別の場所に負担がかかるようになるから、それを解消するように順に換えていけばいい」。速く走るためには、パワーが必要なのではないでしょうか? エンジン関連のパーツ類は交換しなくていいのですか? 「パワーを上げれば速くなるみたいなイメージがあるけど、Z33 のようにノーマルでもパワーのあるクルマの場合、最初はそれを使いこなすだけでも大変。なので、エンジンに関しては当分ノーマルで OK だね。手をつけるのは最後の最後」。焦らず、まずは足回りからということだそうです。
ちなみに、Z-MASTER RACE ではエンジンは簡単な強化のみだそうです。よって、最終的に Z-MASTER RACE に近い形ということで、吸気系をストリート仕様、排気系をスポーツ仕様、カム & バルブは NISMO 製のスポーツ仕様に変更。サスペンション、ブレーキはレース仕様、タイヤはスポーツ仕様となりました。
チューニングをする際は焦らずひとつずつ変更
『Forza Motorsport 2』は、パーツをすべてレベル 3 のレース用に交換すると、タイヤ、ギア比、アライメント、スタビライザー、スプリング、減衰力、エアロ、ブレーキング、ディファレンシャルの合計 9 項目のチューニングが可能になります。各項目は複数の要素の数値を変更でき、合計すると 30 にもなります。こんなにあると、どれから手を出していいか悩んでしまいます。続いては、チューニングについて聞いてみましょう。
まず、チューニングする順番はありますか? 「実車の場合は、とにかく一番簡単に作業できるものから行うよね。ボンネットを上げるだけで作業できるダンパーとか。それで挙動に問題がなくなればよしで、まだ完全ではなければ、ダンパーではなくほかの要素ということがわかる。そうやってひとつずつ試していく。かゆいところがわからないんだけど、少しずつかく場所を変えてみて、かゆいところを見つける、という感じかな。気をつけるのは、複数の要素を変更してしまわないこと。クルマの挙動が変化したときに、どちらを変更したからなのかが分からなくなってしまうから。ゲームだから時間の制約もないので、慌てず、ひとつずつ変更しては走って確かめて作業を進めよう」。影山選手は、フロントのスタビライザーをまずハードにし、続けてフロントのスプリングをソフトに変更していました。なお、変更した違いが 350Z の挙動や、Xbox 360 ワイヤレスレーシングホイールの動き (フォースフィードバック) に出ているのがわかるそうで、そのリアルさにも感心した影山選手です。
チューニングで目指すべきは「よく止まりよく曲がる」クルマ
チューニングは人によって異なるので、万人に共通の答えは存在しないといわれます。しかし、そんな無理を承知のお願いですが、誰でもどのクルマでもどのコースでも大丈夫な設定はありますか? 「同じクルマなら、基本の設定が決まってしまえば、大抵はどのコースでも微調整で済む感じだね。筑波サーキットの場合は、最終コーナーと 1 コーナーを含めた 3 ヵ所のヘアピンでフロントが入るように合わせていくのがポイントかな。クルマが異なる場合は、駆動方式が違うと多少設定する部分が変わってくるよね。例えば、FF は前輪が引っ張る関係で構造的にトラクションがかかりにくい仕組みだから、キャスターを立てる方向にするとか。万人に共通の設定というのはないけど、『よく止まりよく曲がる』クルマを作るということを念頭に置いて設定していくことが必要で、チューニングの方向性はさほど変わらないと思うよ」。
それでは、チューニングからは少し離れるのですが、走る際のこのゲームならではのアドバイスは何かありますでしょうか。「テレメトリ機能 (レース、テストドライブ問わず走行中に方向パッドの上を押すと表示される) は有効活用すべき! 特に、『フリクション』の表示はすごい。これ、僕がいつも生徒たちに教えていることだから。どのタイヤがどれだけ路面と摩擦しているかを表しているんだけど、この機能はものすごくいい。コーナーごとに最も摩擦するタイヤがわかるわけで、摩擦のかかり方がおかしければ、変な修正が入っているなどドライビングがおかしいことを示しているわけだから。この機能は使わないと損」と、テレメトリ機能を大絶賛。ほかにもテレメトリでは、4 つのタイヤごとの回転速度や温度、空気圧などがわかる「タイヤ」や、4 つのサスペンションそれぞれのストロークがわかる「サスペンション」などもあり、チューニングをする際にも参考にできるはずです。ぜひ利用してみてください。
そんなわけで、トップドライバー 影山選手のプロの意見はいかがでしたでしょうか。『Forza Motorsport 2』は、走りはもちろんのこと、アップグレードやチューニングでもプロのテクニックがそのまま通用するリアルさを備えています。「現実のクルマのためのチューニング用の雑誌や書籍が役に立つレベル」とも影山選手は太鼓判を押してくれたほどです。あなたもそのリアルさをぜひ体感してみましょう!