2008年12月26日

次郎のこと

 この年になると、スポーツはもとより、世の中を見回しても、誰も彼もが自分より若い。
 清原だ桑田だと言って、彼らの生き様や逸話に涙しても、俺より二つも若い。
 これは言っても仕方ないことで、むしろ、どれだけ若い人と付き合うかってことだと思う。
 無理して若ぶってもしょうがないし、威張って見せてもどうしようもない。
 十五年以上やっている本業の世界では、誰が上でも下でもなく、健全な仲間関係が出来ていて、お互いを尊重し合いながら、いいバランスが取れていると、俺は思う。
 が、次郎は別なのである。

 奴との出会いは、そう旧くもない。
 二〇〇六年の夏頃、何を思っていたのだか、俺自身すら判らない気分の中、赤坂に部屋を借りた。
 台所に生ゴミは溜めるまいという強迫観念にも似た思いから、俺は、街で飯を食っていたのだった。
 赤坂見附駅にほど近い鮨屋……週に三度は行っていたその店で、俺は次郎に会ったのだ。

posted by TAKAGISM at 05:07| Comment(2) | 雑感
この記事へのコメント
なにやら新しいお話がお聴きできる予感……。
Posted by ひとする at 2008年12月26日 10:57
おお!
始まりの予感・・・
Posted by gon at 2008年12月26日 14:50
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