« 老人を食べるしかない

2008.12.25

西原理恵子の言葉

西原理恵子の新刊 「この世で一番大事なカネの話 」からの抜き書き。

作者のやってきたことを、「カネ」という価値軸でひもといた本。

努力のしかた

  • 順位に目がくらんで、戦う相手を間違えちゃあ、いけない
  • 目標は「トップになること」じゃない。これだけは譲れない、大切な何かを実現すること
  • 肝心なのは、トップと自分の順位を比べて卑屈になることじゃない。最下位でも出来ることを探すこと
  • 自分の得意なものと、限界点を知ること。やりたいこと、やれることの着地点を探すこと。最下位の人間には、最下位の戦いかたがある
  • 「どうしたら夢が叶うか」って考えると、全部あきらめてしまいそうになる。「どうしたらそれで稼げるか」って考えれば、必ず、次の一手が見えてくる

「カネ」を失うことで見えてくるもの

  • 銀玉親方に教わったのは、まず 「負けてもちゃんと笑っていること」。これはギャンブルのマナーの、基本中の基本
  • ギャンブルでした失敗を、もし、どうにも笑えなくなったなら、それはもう、その人が受け止めきれる限度を超えた負けかたをしてるってこと
  • 限度を超えたが最後、ギャンブルは、怖い本性をむき出しにして、その人に襲いかかってくる

「カネ」が外の世界へと案内してくれる

  • 「カネについて口にするのははしたない」という教えを刷り込むことで、得をしている誰かがどこかにいる
  • 「お金がすべてじゃない」「幸せはお金なんかでは買えないんだ」って、何を根拠にして、そう言いきれるんだろう
  • 旦那の稼ぎをアテにするだけの将来は、考え直したほうがいい。失業みたいなことがこれだけ一般化している今の時代に、「人のカネを当てにして生きる」ことほどリスキーなことはない
  • 人の気持ちと人のカネだけは、当てにするな

人が人であること

  • 「働くことが出来る」「働ける場所がある」って言うことが、本当の意味で、人を貧しさから救うんだと思う
  • 生きていくなら、お金を稼ぎましょう。どんなときでも、毎日、毎日、「自分のお店」を開けましょう
  • どんなときでも、働くこと、働き続けることが「希望」になる。人が人であることを止めないために、人は働く

読んでみて、作者の人はたぶん、母親として、この本を子供に読んでほしくて書いたんだろうな、と思った。

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Comment & Trackback

サイバラの話がここに出てくるとは思わんかった
亭主が死んだけど、子供2人抱えて頑張ってるのかな

「この世で1番大事なカネの話」
探して読んでみます

学生の頃、「パチンコにはちょっとひとこといわせてもらいたい」を面白いですよ、なんて下級生に勧められて、その頃読んでた「ちくろ幼稚園」と同じ作者だったあたりから、ずっと追っかけていたりします。。

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> 「カネについて口にするのははしたない」という教えを刷り込むことで、得をしている誰かがどこかにいる

文中の「得をしている誰か」を、次の中から選べ。(複数可)
(1) 金融機関
(2) 政府
(3) 不動産業
(4) 既に金融の知識を持っている人(上記を除く)

ヒント1:一般市民がカネについて平気で口にするようになると、カネについて議論するようになり、金融商品の隠れた手数料や税金の使途や土地価格の形成のされ方について関心を持つことが予想される。

ヒント2:一般市民がカネについて平気で口にするようになると、すべての消費活動についてフェアバリューを考えることが想定される。

こういうタイトルの本は好きですね。アマゾン辺りで買えるなら読んでみます。
今の世の中で金が必要なのは明らかなのに、正視しない輩が多すぎる。

Please comment

4つの『蟹工船』漫画を読む
ttp://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/kanikousen.html
サイバラさん、このもう一方の現実をどう見ているのか
こういう視点でも語ってほしかったような

これは引用になりますが。

『私たちはいかに「蟹工船」を読んだか』(白樺文学館多喜二ライブラリー)は『蟹工船』のエッセイコンテストの応募優秀作品を載せた本だが、大賞を受賞した山口さなえは次のように書いている。

〈有名な広告代理店の下請けデザイン会社に就職した友人は、あこがれのデザイナーになろうと必死だった。しかし、入社したとたん三日間帰宅できず深夜残業、さらに既婚の社長に抱きつかれ服を脱がされそうになる。拒否すると激しい暴言を吐かれなくなく謝って退社を許されたという。その後、彼女は、深夜の三時から始まる会議で社員達にお茶くみをする仕事を強制された。私が「おかしいよ」と言っても、彼女は「社長を尊敬している。」と心から言うのだ。
 深夜のマクドナルドで私の友人に声をかけた女性は「もう行くところがない」と言った。困った友人が私に声をかけてきて、私は彼女を家に泊めることにした。彼女は私と同い年だった。地方から上京し、新聞奨学生をしながら四年制大学を出た。卒業後、寮付の派遣会社で働いたが、男性社員から「俺と寝なければ寮費を取る」と脅され逃げ出した。友人宅や「路上寝」を繰り返し、最寄りの役所に相談に行ったが門前払いされた。深夜のマックで友人に声をかけたときは所持金が一万円札一枚だった。
 美術大学の二つ上の先輩は在学中に映像コンペで入賞し、メディアにも取り上げられた輝かしい経歴の持ち主だった。専門学校にも通い、スキルも身につけていた。夢を持って社会に出たと思う。彼女はマスコミのADになったがほとんど家に帰れない。TV局のフロアの地べたで仮眠を取り、蹴られて起こされる。現場のディレクターから毎日怒鳴られ、体を触られるセクハラを受けた。やがて鬱病となり労災申請をすると総務の女性から「労災で休暇なんて給料泥棒だ。迷惑をかけるなら辞めて下さい。」といわれた。私の希望の星はアパートにひきこもり、自分を責めてリストカットを繰り返した。彼女は「病気のせいで手が震えて自炊ができない。」と言った〉(同書p.30〜31)

 この閉塞のなかで受けている圧迫を、『蟹工船」のなかでやはり「ふっ」と重なるように言い表している有名なセリフがある。自分が本当に殺されると分かったらそのとき決起すると言い訳する労働者に、別の労働者がこう叫ぶセリフだ。

〈殺されるッて分ったら? 馬鹿ア、何時だ、それア。——今、殺されているんでねえか。小刻みによ〉(『蟹工船』p.98)

結局、サイバラさんの本もこの話も、「夢と金」の話なんですよね。
前者はそれを巡る哲学であり、後者のこれら引用はその破綻を書いている。

お金は難しいです。お金について云々といっている人もいますが、お金について語らないという空気を作った一端は昔のバブル紳士やライブドアの人を初めとするように、お金は至上それ以外は意味なんてない、とする人達への忌避感でもあった。

そのことを無視してお金を語らない世界はおかしいとは中々言えない気がします。
お金は大切なんですけど、大切すぎて価値が大きすぎることで返って物事をわかりずらくしているというきがします。

リンクの後半部分は別の話をしています。

[…] Excel memo at 2008-12-26 金曜日, 12 月 26th, 2008 | メモ 西原理恵子の言葉 - レジデント初期研修用資料 […]

つぶやきその4

西原理恵子の言葉 - レジデント初期研修用資料 西原理恵子センセの新刊、この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ) (よりみちパン!セ)の話。 旦那の稼ぎをアテにするだけ…

> 「カネについて口にするのははしたない」という教えを刷り込むことで、得をしている誰かがどこかにいる
実感から、確実にこれに当てはまるのは「求職者が募集を遥かに上回るような人気職業で、応募してくる人の夢を食い物にしている(賃金・労働環境を限界以上に低く切り詰める)経営者」です。
「夢を叶える」「なりたい自分になる」の類も同じ”教え”ですね。

少し以前の話なら「過酷な労働条件」ということで蟹工船が話題になったかもしれないけど
サブプライム問題以降の今は「職がない」という問題のほうが重要でしょ。
先日、麻生総理がハローワークで「目的意識を持って職を探せ」と言ったら、
それを批判していた人がいるけどこの西原さんの言葉は叩かないのかね?
おおむね似たような趣旨の発言なのだが。
自分の戦い方を知って、その上で金を稼ぐ方法を見つけろってことでしょ。

中学生に向けたシリーズで、「これから世の中に出る前に、こうしたことを心得ておくと良いよ」という内容の本から抜粋された言葉だということも知らずに、とりあえず噛み付こうとしている人は哀れで滑稽ですね。

サイバラ家のblog 読んでると、しょっちゅうカニ食べてるんですよね。。

うりゃなさんみたいな人にこそ読んでもらいたい。マスコミに騙されて今時、カニ光線なんて読んでちゃダメだと思う。「世間のウラ」を読まないと。格差社会を煽ってお金儲けしている人もいるよ。

山口さなえさんは賞を取る為にフィクションを混ぜてないかとか考えない?わたしだったらやっちゃう。
なんで3人ともそろって、セクハラ受けてるのかとか気になっちゃう。
デザイナーなんてもともと過酷な世界だよね?
新聞奨学生やってたら新聞社のウラの仕組みも勉強できると思う。なのに4年間も苦労して大学行ってなんで派遣会社になんか就職するんだろう?
ADも過酷な仕事だって調べればわりと簡単にわかると思う。
自分にも問題があるんだと思う…いくら「努力」しても方向が間違ってる「努力」は時間の無駄。
世間に騙されない為に、愚痴をいうより、自分が強く賢くなるしかないんじゃないかな?

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