・歌舞伎の舞台にいて、
観客たちに拍手をもらっている登場人物たちって、
ほんとにもう、悪人が多いんですよねー。
笑っちゃうくらいです。
人殺し、盗人、詐欺師、嘘つき、謀略家、復讐の鬼‥‥。
いくらでも出てくるわけですよ。
いや、善人なんてあんまり出てこないかもね。
恋愛関係にしたって、横恋慕、不倫、心中。
すごいもんです、ほんとに。
これを、弁当などつかいながら、
晴着で楽しく観覧するというお客さんたちは、
どういう了見なんでしょうねぇ。
「演劇にはピカレスクというジャンルがあって‥‥」
なんて解説されても、あんまり意味がない。
悪の権化どもに、拍手喝采してるわけです。へへへ。
いまの時代って、とーにかく、
「許す」ということがないじゃないですか。
「裁く」「追いつめる」「拘る」なんてことばが、
正義とセットになってますからね。
ありとあらゆることが「許せない」らしいんです。
それにしては、歌舞伎の舞台はオッケーなんです。
人間国宝だの、無形文化財だの、伝統芸能だの、
ぜひ守るべきものとして存在しているんだけど、
登場するのは悪人ばっかりとは、なんと愉快な。
いや、実は、歌舞伎ばかりじゃなく、
演劇にしても、映画にしても、小説にしても、
「悪」や「汚れ」が含まれたものとして、
人間や世界を見ているのが普通でしょう。
だって、実際にそういうものなのだからねー。
世界のなかに、人間の内部に、
混じりあったり溶け込んだりしているはずの悪が、
ぜんぶないことしても、事実あるんだからさ。
「ないことにして」表現から消してしまったら、
そりゃ、おかしいですよね。
いけしゃぁしゃぁと、悪いやつらが活躍している歌舞伎、
それを芸術として認めているお国、
どっちも現在の社会よりも、ずっとましだと思うなぁ。
弊社、本日、忘年会。うどんやにて。
今日も、「ほぼ日」に来てくれて、ありがとうございます。
観客たちに拍手をもらっている登場人物たちって、
ほんとにもう、悪人が多いんですよねー。
笑っちゃうくらいです。
人殺し、盗人、詐欺師、嘘つき、謀略家、復讐の鬼‥‥。
いくらでも出てくるわけですよ。
いや、善人なんてあんまり出てこないかもね。
恋愛関係にしたって、横恋慕、不倫、心中。
すごいもんです、ほんとに。
これを、弁当などつかいながら、
晴着で楽しく観覧するというお客さんたちは、
どういう了見なんでしょうねぇ。
「演劇にはピカレスクというジャンルがあって‥‥」
なんて解説されても、あんまり意味がない。
悪の権化どもに、拍手喝采してるわけです。へへへ。
いまの時代って、とーにかく、
「許す」ということがないじゃないですか。
「裁く」「追いつめる」「拘る」なんてことばが、
正義とセットになってますからね。
ありとあらゆることが「許せない」らしいんです。
それにしては、歌舞伎の舞台はオッケーなんです。
人間国宝だの、無形文化財だの、伝統芸能だの、
ぜひ守るべきものとして存在しているんだけど、
登場するのは悪人ばっかりとは、なんと愉快な。
いや、実は、歌舞伎ばかりじゃなく、
演劇にしても、映画にしても、小説にしても、
「悪」や「汚れ」が含まれたものとして、
人間や世界を見ているのが普通でしょう。
だって、実際にそういうものなのだからねー。
世界のなかに、人間の内部に、
混じりあったり溶け込んだりしているはずの悪が、
ぜんぶないことしても、事実あるんだからさ。
「ないことにして」表現から消してしまったら、
そりゃ、おかしいですよね。
いけしゃぁしゃぁと、悪いやつらが活躍している歌舞伎、
それを芸術として認めているお国、
どっちも現在の社会よりも、ずっとましだと思うなぁ。
弊社、本日、忘年会。うどんやにて。
今日も、「ほぼ日」に来てくれて、ありがとうございます。