国の緊急臨時的医師派遣システムに基づき、今年7月から行っている鯵ケ沢町立中央病院への内科医派遣が12月で期限切れになることを受け、県立中央病院は25日、当面の対応策として2009年1月から週1回、非常勤内科医を鯵ケ沢町立中央病院に派遣することを明らかにした。派遣期間はおおむね1年間を見込み、同病院は常勤内科医の確保に努める。
同日、青森市内で開かれた県地域医療対策協議会で県病の吉田茂昭院長が説明した。
県病事務局によると、鯵ケ沢町立中央病院が今月12日付の文書で要請。県病側は19日、院内の検討委員会を開き「派遣は妥当」との結論を出した。
鯵ケ沢町立中央病院の常勤内科医は2人で、弘前大学医学部付属病院からも非常勤内科医の派遣を受けている。今回さらに県病から派遣を受けることで、国の派遣終了後も、平日の内科は最低限必要とされる3人体制を維持できるという。
県病の医師派遣について、鯵ケ沢町立中央病院の星野恵治院長は「非常にうれしい」と述べ、常勤内科医の確保に努める方針を強調した。
鯵ケ沢町の長内仁副町長は「医師不足という状況の中で県病が医師を派遣してくれることは、町としても大変ありがたい。われわれも医師確保に向けて全力で努力していきたい」と話した。
県病の吉田院長は「神経内科医と循環器内科医を中心に1年間の派遣スケジュールを組む」と語った。
県病は08年春から黒石病院などに非常勤医を派遣しており、鯵ケ沢町立中央病院は5例目。
25日の県地域医療対策協議会では、県が今後の常勤内科医確保策の一つとして、今回派遣元になった日本赤十字社に対し、後期臨床研修の一環として医師を派遣してもらうよう働き掛ける考えなどを説明した。