2006-02-14 23:47:12 posted by iijimaai

HIV 3

テーマ:ホスピタル
総合病院の皮膚科に、外来で来た若い少女は
診察室に呼ばれ
『額と 背中にできたアザを治して欲しい』
と、帽子を脱いで、悩みを打ち明けた。
『このアザを消したい』
そう訴え続ける患者に、医師である友人は違う病気の可能性を感じて
検査を進めた。 
しかし、それには決して応じない少女。

彼女は、医師としてどうあるべきか... 悩みに悩んだ。
結局、正解は見つからないままだった。 でも、それでもペンを手にとって、
『 お薬だしときますね。』 
と 、アザで悩む患者のカルテに 処方箋を書いて、
サインをした。
『 ....... 治らなかったらまた来てくださいね。』 

  HIV 3 

『.... ありがとうございました。』
少女は、そう言ってうつむいた。肩をすくめて膝を握ったまま動かない。
握ったこぶしの手の甲が震えて、そこに大粒の涙がこぼれ落ちるのを
見つめていた。 
いつまでも、泣かせてあげること、それだけしかできなかった。
きっと、誰のまえでも泣けない毎日を送っている。
本当は、大きな声で泣いて暴れて誰かにあたって、守ってもらいたい。
どんな些細な病気でも、人は不安でか弱くなる生き物なのだから...
言葉もなく 、ただそっと、少女を見守っていた。
時々、聞こえてくる子供の高い声や、咳き込む風邪、
カーテンレールの音に、廊下を行き交うサンダルやスリッパ−の足音。
静まり返った部屋で、ドアの向こう側から聞こえ漏れる全てから、
ここは病院で自分は医師。 と 、現実に叩き起こされ我に返る。
診察室。
いったい何時間、一人の患者と向き合っていたのだろうか...?
いえ、そうじゃない。
いったい何時間、この患者を独りにさせてしまっていたのだろう...か。

壊れたCDが同じ小節をLOOPするように、繰り返し 繰り返す。
私が、先へ進めないと 患者は再生出来ない。
泣いてばかりいても、何も変わらない。少女の病状は変らない。
『そのアザ、必ず治しましょう。 だから、もう泣くのは止めて。
  ね、今日のお薬で治らなかったら、 また病院に来てちょうだい 』
少女は、小さく頷く。
『いい、必ず来てね。 必ず来るんだよ? 』
私は、少女の手に手を添えて真剣に約束を求めた。
ちゃんと、目をみて、本当の約束を交わしたかった。
医師として診察する患者に、これほど距離を置かれた経験は初めてであり、
親身になってしまうほど、患者を近い距離に感じる経験もまた初めてだった。

今の辛さから救ってあげたい。  絶対に助けてあげたい。
そう、思った。
『 先生、ありがとう... 』
...  絶対に、
『先生、あの、わたし、あの ... 』
.... 絶対に、
『本当は、検査を受けたことが、あるの。』
..... 絶対に、
『先生、どうしよう..なんでなの、なんで なんで なのうう ..ヤだ。ヤだよ 』
.....絶対に助けてあげるから

『大丈夫よ。大丈夫。アザだって... 消えるから もう、大丈夫よ』
こんな子が、HIVだなんて 酷い 

『なんかあの時、医者の私までが泣けて来ちゃってさ..   』 
昔を思い出しながら、またウルウルしだした友人の話を
おもいっきり へし折って
『お医者さんも泣くもんだね?』 と、デリカシーの無い言葉を吐いてしまった。
だって、患者の事で泣いてる医師をみた事が無いから、つい言ってもうた。
いい意味で言ったつもりだったんだけど...    彼女はムッとしてた。 
たけど、すぐにこう付け加えた。
『最初で最後かな.. 』

外科病棟では、毎月の様に患者が亡くなって行く。
常に、医師は命を救う事を前提に考えて難易度の高い手術に望んでいる。
でも、興味がある事も事実。 ずっと学ぼうと言う姿勢からくる向上心で、
それが今日の医学を支えている。
『外科医が泣き虫だったら勤まらないし、そんなのが愛の担当医で
難しい手術するの嫌でしょ?? メス持って、ごめんねって愛チンって!!』 
ま、彼女との医療についての話は止めとこう。
はっきり言って、うそでしょ~え  どんびき~ な 話が多い。
脳みそ開けらんない人と開けられる人の違いは、でかい!!
でも、それが、人の命を救うんだ。
私の事も、私達の愛する家族や友人のことも 救ってくれるんだ。
やっぱ、尊敬する。
『だって、毎日、死体安置室でさぁ、死体で居残り勉強してたころ、
 愛は、デイスコ行ってきま~す!! で、めちゃくちゃ 羨ましかったよ。
 それで、腸で ○○○○ してたら、先生に見つかってさぁ、怒られてさぁ 』
... 懐かしい、覚えてるよその話。 書けないけど。


HIV 4

 『先生、HIVって、どうなって死ぬの』 

コメント

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■HIV 3

あわてて書いたから、行間とかめちゃくちゃじゃんけ!!
ごめんなさい.直す気ないからごめんよ
今日ね、ちょうどHIVの検査してきて
書き込みみて、 

■久々に一番!


たろーです。


■言葉のチカラって

お初です。当人にしか分からない不安。人生不安だらけですよね。そんな時ちょっとした発言が、その不安を低減してあげることができるものですよね。私は医者とか直接救える者ではないけど。。発言で少しでも不安を取り除けるならと改めて思いましたよ。

■医者・・・

一昨日、突然のめまいが数時間消えず・・・
吐き気や喉の異常な渇き、微熱、、、(詳しくはブログ参照で・・・)
ただのめまいならしょっちゅうあるけれど、数時間この状態が続くのは
初めてのことで、正直、悪い病気かと不安になった。
近いうちに病院へ行ったほうがいいかなと思った・・・。
もしも診てくれる先生が私の診断をする前に
泣いたら・・・絶望的だと思ってしまうかも・・・。←怖い
でもそれだけ私を思ってくれてると思えるし
いい先生だと私は思います。
なかなか事務的な先生ばかりで、こんな親身な先生はいないよ・・・。
哀しいけど・・・。

■検査したことないなぁ

多分のHIVの検査って、どうやるんだろう?

HIVになったら、絶対に死んじゃうの?

■初コメです

オイラは”鍼灸”という形で医療方面に参加しているのですが、いらっしゃる患者さんは「奇跡を起こしてくれる」「一発で治してくれる」という妙な期待感をもって来院されることがあります。
ハッキリ言って「医者でも困難なものは鍼灸でも困難」(たまに、奇跡的に楽になってしまうこともあるが…)

しかし患者さんの前で無力感を感じることも多々あるわけで「何やってんだろう?」「こんなんでお金もらってイイの?」と思うこともある。
気持ちの持って行き場に困ってしまう。
なんとか、患者さんと一緒に頑張れる治療家ではありたいもので…

■無題

愛さんの飾らない言葉や文章がすごく好きです。☆☆今日サイコラッ見ますね☆~

■無題

この前“続きはぁ??”見たいな事書いちゃって それで急がしちゃったならごめんねぇ~

■続きが、気になります。ネ。

どんな先生も、愛さんのご友人のように「ココロ」を持っていて欲しいです。

読者登録させてください☆

■ぁたしも愛サンカナ━リラブですからぁ↑↑

写メイパ━イほしぃょん(◎´∀`)ノ

■スープカレー

記事に関係なくてごめんなさい。
たった今、金スマ見てるんですが
スープカレーがおいしそうで、気になったので
愛さん・・・おいしかった?辛かった?
私はカレーはねっとりより、シャバシャバ派なんです。
食べてみたい(^¬^)ジュルル 

■愛ねぇさんの素敵な宝物

“warm heart & cool brain”なその女医さん、愛ねぇさんの素敵な宝物ですね。

■ひさしぶりに…

考えさせられちゃう。。でも、そうゆう体験を語ってくれる人、私たちに伝えてくれる愛姐さんみたいなひとがいるから人事じゃなく考えることができます。ありがとです(^_-)-☆
今も人事じゃない。。一回しっかり検査するべきですよね。まさか自分は…って思うけどやっぱり怖い。。。。

■HIV検査

はじめまして♪
初!コメントです!
私も、去年簡単な手術する際に、
検査の中で、HIV検査が含まれてました。
私は大丈夫でしたが、心あたりがなくても、検査結果はどきどきするものですね!

■無題

続き、待ってます。

■エイズ

そこがなんか矛盾としての
人の性って悟れました。

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