政府は25日、昨年8月から1年間で退職した課長級以上の国家公務員1423人の再就職状況を公表した。許認可などで中央官庁との結び付きが強い独立行政法人や公益法人(財団、社団)、特殊法人、認可法人に再就職したのは590人(前年比67人増)で、平成14年の公表開始以来、最多となった。退職者に占める割合でも、最も低かった前年の40・7%から微増して41・4%となり、いまだ続く「天下り」の実態が浮き彫りになった。
退職者で再就職が確認できたのは全体の87%の1239人で、前年よりも130人増えた。独立行政法人には、財務、国土交通両省などから計77人が再就職(前年比10人増)。財団法人には329人(同46人増)が再就職し、退職官僚の最大の受け皿となった。
独法や公益、特殊、認可法人への再就職を省庁別にみると、国交省の214人がトップで、厚生労働省(90人)、経済産業省(64人)、農水省(46人)が続いた。
国家公務員の再就職に関しては、政府が31日付で、再就職業務を一元的に管理する「官民人材交流センター」と、再就職を監視、承認する「再就職等監視委員会」を内閣府に設立する。設立から3年以内には、各省庁が個別に行ってきた天下り斡旋(あっせん)を全面禁止する。
この期間中は監視委員会が承認した場合のみ、各省庁による斡旋を認める移行措置を設けている。ただ、委員長含め委員5人の就任は、野党が国会同意人事で承認せずに空席のままで、政府は当面、本来承認の権限を持つ麻生太郎首相自らが斡旋を承認することを閣議決定している。
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