患者から寄付2443万円 福島県立医大保険外診療時

 福島県立医大が(福島市)が大動脈瘤(りゅう)などの手術で保険適用外の骨組み入り人工血管の費用を患者から寄付金として受け取っていた問題で、医大は25日、記録が残る2004年度以降、保険外診療時に同様に受領した寄付金が、74人から計104件、2443万円あったと発表した。

 医大によると、人工血管で受領した心臓血管外科学講座のほか、内科第二、外科第一・第二、放射線医学の4講座であった。がん治療で免疫を高める樹状細胞療法や、悪性腫瘍(しゅよう)を熱で破壊するラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法などの診療を受けた患者から受領していた。

 最高額は、生体肝移植で免疫薬剤投与を受けた患者の163万円。樹状細胞療法では、20万円を5回、計100万円を寄付した患者もいた。

 医大は問題が発覚した10月以降、全学調査を実施した。記者会見した丹羽真一副理事長は「講座の研究費に限りがあり、患者に寄付をお願いしてきたが、強制ではない」と説明。原則禁止されている保険診療と保険外診療との「混合診療」に当たる可能性については「治療費として受領していない」と否定した。

 医大は今後も寄付を募るが、担当医師ではなく事務職員が退院時に要請することで、強制と受け取られないようにする。

 東北厚生局医療指導課は「混合診療に該当するかどうかは結論が出ていない。本省と協議の上で結論を出したい」と話している。
2008年12月26日金曜日

福島

社会



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