4市町村病院が赤字決算 07年度・岩手県まとめ岩手県内の9市町村病院のうち、奥州市総合水沢など4病院が2007年度決算で赤字となったことが、25日までの県のまとめで分かった。患者数が前年度を下回ったのが要因で、医師不足を背景に医業収益悪化の現状が浮かび上がった。県によると、経常損益が赤字だったのは総合水沢(赤字額約5億7400万円)のほか、盛岡市立(約4億700万円)、宮古市国民健康保険(国保)田老(約3800万円)、西和賀町の国保沢内(約2600万円)の各病院。 このうち、総合水沢では外来と入院の患者数の合計が約19万7800人にとどまり、前年度より約3万4500人減少した。盛岡市立、国保田老、国保沢内も前年度をそれぞれ約1万5300人、約6500人、約1000人下回った。 患者数は経営と直結しており、医業収益は外来が減って入院が増えた国保沢内を除き3病院でマイナス。総合水沢が前年度比11.9%減、盛岡市立が8.4%減、国保田老が16.7%減となった。患者の減少は9病院で約6万2000人に上り、収益は全体で13.8%落ち込んだ。 患者が減少した根底には医師不足がある。総合水沢病院は「精神科と内科の医師計2人が辞め、入院と外来を合わせて両科だけでそれぞれ約1万5000人の患者が減った」と説明する。 盛岡市立病院も同じ状況で、医師が辞めた小児科と産婦人科で後任が見つからず休診の状態が続いている。経営の健全化に向け、事務局は「多くの患者を受け入れられるよう医師確保に努め、単年度収支の均衡を図る」と話している。
2008年12月26日金曜日
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