TOP > 【Design Studio】 プロボクサー 坂田健史氏 VOL.5
プロボクシングWBA世界フライ級チャンピオン 坂田健史さんにお話をうかがいます。最終回となる今回は、世界奪取につながった食生活の改善、食生活以外の健康管理、体調管理のポイントなどについて語っていただきました。
編集:佐伯幸治(AirHead)/文:前田成彦(Office221)/写真:和田達彦
--最初の世界戦の当時、坂田選手は独身でしたよね? 世界戦で勝つことができたのは、2006年にご結婚されたことも大きいのではありませんか?
「そうですね、まず食生活が大きく変わりました。独身時代は外食ばかりでしたからね。正直、自宅で食事をするようになったからといって、すぐにボクシングが進化したわけではありません。でも着実に体がいい状態に変わっていったのは確かで、徐々にそれを感じられるようになってきたんです。
一番大きかったのは、疲労からの回復度の速度アップですね。独身のころは試合前、練習がハードになると体が動かなくなって、毎日を乗り越えるだけで精いっぱいという状態が続いていた。でもそれがいつの間にかなくなり、激しい練習をこなした翌朝でも、前日の疲れが残りにくくなっていたんです」
--食生活では具体的に、どんなことを心がけたのですか?
「好きなものばかり食べるのではなく、バランスよく多くの品数を取ることです。今も昼は炭水化物中心、夜は蛋白質中心にして、試合が近づくとビタミンBが多く含まれる豚肉や、脂肪分が少ない鶏肉、豆腐や大豆などを意識して食べています。また、食物繊維もよく取るようにしていますね。サプリメントなどは特に使っていません。栄養は自然のものから取るようにしています。
あとは、減量がない時期でもあまり食べ過ぎないようにしています。それでも栄養はしっかり取ることで、減量段階での体の消耗度がだいぶ変わりましたね。試合前の体重の落とし幅は以前とそれほど変わっていないんですが、減量中のだるさが減り、疲れて気力が出ない日も少なくなりました。
以前は練習というと、試合に向けて体重を落とすためのトレーニングに近かった。でも今は、試合に向けた練習がしっかりできている実感がある。やはり食事は大きいですよ」