あん偽装販売のヤノフーズ社長「すべて私が指示」
原材料の表示を偽装してあんを販売したとして、農林水産省などから日本農林規格(JAS)法などに基づく改善指示を受けた田川市の食品販売会社「ヤノフーズ」の矢野芳和社長(56)が15日、同社で記者会見し、「すべて私が指示したこと」と述べ、社長を辞任する考えを示した。また、同社と関連会社の「矢野製餡」の全従業員48人を10月31日付で解雇したことも明らかにした。
矢野社長は不正の経緯について、「矢野製餡の幹部社員に中国産の小豆や金時豆をあんに混ぜるように指示した。8月に農水省の立ち入り検査を受け、不正を指摘されたためやめた」と明かした。
偽装を行った理由については、「国産小豆が高騰し、入荷できる量が限られる一方で、商品の受注が相次いだため、不足分を埋めるために同質の中国産を混ぜた。金時豆は味を調整する目的だった」とした。
また、同社側は不正が発覚した当初、中国産小豆などが混ざったのは意図的ではなかったと主張していたが、矢野社長は「以前から違法行為という認識はあった。うその説明をして申し訳ない」と謝罪した。
農水省や県によると、同社は昨年11月から今年9月にかけ、矢野製餡が中国産小豆や北海道産金時豆を混ぜて製造したあんを、北海道産小豆を100%使用したように表示して販売した。
(2008年11月16日 読売新聞)