2004年10月17日 (日)
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今週の格言
作戦の分岐点では必ず形勢判断をしよう!

ひろみ お兄ちゃん、今日の格言は形勢判断の話だよね。前から疑問に思っていたんだけど、形勢判断は何のためにするのかしら?

義行 ひろみちゃんは形勢判断をいつしているのかな?

ひろみ そうねぇ〜、いつも終局の少し前にしていると思うわ。

義行 やっぱりね。だから形勢判断をする目的がわからないわけだよ。終局直前にするのは形勢判断ではなく、計算(目算)でどちらが何目勝っているかの確認が目的なので、実際には何の役にも立たないし、そんな暇があるのならさっさと打って整地した方が良いと思うよ。

ひろみ そう言われてみればそうね。もし、負けとわかってもどうしようもないし。じゃぁ、形勢判断はいつ頃すれば良いのか教えて!

義行 了解、じゃあ右図を見てごらん。2子局で黒が黒1黒3を利かし黒5と左辺を守ったところだよ。次に白はaなら常識的なんだけど黒bに打たれると左辺が大きくなるよね。だから白6と目一杯広げるのは上手なら当然の一手。黒は次にcと打ち、囲い合いにするかaまで侵出するか作戦の分岐点にたっているこの時が形勢判断をする絶好のタイミングなんだ。

ひろみ え〜、こんな早い段階で形勢判断をするなんて私には不可能だわ。だって、どこを見てもまだ不確定な場所ばかりだもの。


義行 白△とボウシに打たれた時の形勢判断なんてお兄ちゃんにもできないよ。2子局だから黒が有利なことは確かだけどね。

ひろみ でも、今が形勢判断をする絶好のタイミングなんでしょ?

義行 だから、現在の形勢判断をするのではなく、まず黒1と囲い合いにした時の展開を予想し、一段落後の形勢を判断するんだよ。

ひろみ あっ、そうか。それで黒が有利であればそう打てば良いし、もし不利になりそうであれば、他の手を考えれば良いのね。でも、2子局なら黒はどれくらい有利であれば良いのかしら?

義行 そうだなぁ、まだそんなに局面は進んでいないので15目以上のリードは必要かな。じゃぁ、実際に黒1黒5となるものとして形勢判断をしてみよう。

ひろみ 黒は左辺が50目くらい、右上が15目、右下が10目と考えれば計75目。白は上辺が55目くらい、左下が10目くらいかな?

義行 と、言うことは白が計65目で黒のリードは10目しかないってことがわかったね。2子局で、もう10目しかリードがないことは黒としては不満だからこれは廃案。


ひろみ それじゃぁ、黒は黒1とここまで踏み込むべきなのね。

義行 白2白4の受けは仕方ないとして黒5と打った時の形勢判断をしてみようか。黒は左辺が完全に囲えていないので先ほどより少し減って計70目くらい。白は上辺が35目に減るので計45目、これなら25目はリードがあるから心配ないよね。

ひろみ もし、これでも形勢が悪い場合はどうすれば良いのかしら?

義行 そうだなぁ〜、黒aに打ち込んでいくかな?

ひろみ なるほどね〜。作戦の分岐点では今の形勢ではなく、何通りか変化を考え一番良い道に進めば良いのね!

義行 その通り!それが先をヨム練習にもなるので一石二鳥なんだ。
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ひろみ 計算と形勢判断との違いとその目的がよくわかりました〜!