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福祉・介護職への復帰、給与などが壁に−厚労省調査

 厚生労働省は12月25日、介護福祉士などの有資格者を対象に行った「介護福祉士等現況把握調査」の結果を公表した。福祉・介護分野の仕事を辞めた理由として、「給与等の労働条件が悪い」ことを挙げる回答が目立ったが、その一方で、福祉・介護分野へ復帰したいという回答も目立っている。

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 調査は、「社会福祉士」「介護福祉士」「精神保健福祉士」の資格保有者のうち、何らかの理由で福祉・介護分野で就労していない「潜在的有資格者」の状況把握を目的としている。資格の登録機関である社会福祉振興・試験センターが、30万8583人を対象に実施。今年9月22日に調査票を送り、10月10日に回収した。有効回答数は、18万6379人(有効回答率60.4%)。
 調査回答者は、社会福祉士2万6624人(14.3%)、介護福祉士15万2564人(81.9%)、精神保健福祉士7191人(3.9%)と介護福祉士が多い。男女別では、男性2万9706人、女性14万5809人と、女性の割合が高い。
 回答者が就労している分野は、「福祉・介護分野」14万2980人(約77%)、「福祉介護以外の分野」1万5800人(約9%)、「未就労」2万7599人(約15%)で、資格を持ちながら福祉・介護分野で働いていない「潜在的有資格者」は4万3399人(約23%)だった。

■福祉・介護分野で就労している有資格者の状況
 福祉・介護分野で就労している有資格者の雇用形態を見ると、「正規職員」の割合は、社会福祉士84.7%、精神保健福祉士83.2%で、65.5%の介護福祉士よりも高かった。正規職員の平均給与額は、社会福祉士24万9389円、介護福祉士20万715円、精神保健福祉士24万7120円となっている。
 平均賞与額は、社会福祉士78万1420円、精神保健福祉士77万8141円に対し、介護福祉士は49万767円にとどまった。また、介護福祉士では「賞与なし」が25.8%を占めている。
 毎年度の定期昇給では、社会福祉士の63.8%、介護福祉士の50.6%、精神保健福祉士の57.3%が昇給していた。「昇給している」と回答した人の直近の平均昇給額は、社会福祉士1万667円、介護福祉士8966円、精神保健福祉士1万1852円だった。

 福祉・介護分野での転職回数を見ると、「1回−2回」と回答したのが、社会福祉士56.2%、介護福祉士47.0%、精神保健福祉士54.4%だった。
 仕事上の不満や悩みについては、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士のいずれも「給与・諸手当が低い」の割合が最も高く、社会福祉士と精神保健福祉士ではそれぞれ45%強、介護福祉士では60%弱を占めている。

■福祉・介護分野以外で就労している有資格者の状況
 福祉・介護以外の分野で働いている人のうち、「病院・診療所」で働いていると答えた人の割合は3つの資格とも最も高く、社会福祉士38.6%、介護福祉士25.4%、精神保健福祉士49.3%となっている。「公務員(福祉以外)」と回答したのは、社会福祉士が12.6%、精神保健福祉士が31.1%に上ったほか、介護福祉士については「サービス業」が15.2%を占めている。
 福祉・介護分野の仕事を辞めた理由として「給与等の労働条件が悪いため」を挙げたのは、社会福祉士25.5%、介護福祉士32.2%、精神保健福祉士20.5%だった。
 福祉・介護分野への復帰の意向を見ると、全体の約5割が復帰したいとする一方で、社会福祉士の約2割、介護福祉士と精神保健福祉士のそれぞれ約3割が「戻りたくない」と答えている。

■現在就労していない有資格者の状況
 現在就労していない有資格者の状況では、現在働いていない理由として最も多かったのが「出産・子育てのため」で、社会福祉士の46.7%、介護福祉士の38.1%、精神保健福祉士の31.2%となっている。「腰痛等、体調を崩しているため」の割合は、介護福祉士で13.9%に上っている。
 福祉・介護分野への復帰の意向を見ると、全体の約7割が戻りたいとする一方で、社会福祉士の約1割、介護福祉士と精神保健福祉士のそれぞれ約2割が「戻りたくない」という。
 今後、福祉・介護分野へ復帰する上で改善してほしいこととして、最も多かったのは「資格に見合った給与水準に引き上げる」で、社会福祉士の64.8%、介護福祉士の62.4%、精神保健福祉士の56.2%に上っている。

 厚労省社会・援護局の福祉基盤課では、「介護福祉士では、キャリアアップの道筋を付けて、意欲のある人を評価する仕組みが必要。また、子育てによる退職の割合が大きいため、仕事と子育てを両立させる仕組みが求められている」と話している。


更新:2008/12/25 22:22   キャリアブレイン

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