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【長野】リニアルート調整“出発点” 知事とJR、あす初会談2008年12月25日 リニア中央新幹線構想で、金子一義国土交通相が24日、JR東海などに追加調査を指示し、県とJRによる協議がようやく始まる。ただ、県は南アルプスを北側に迂回(うかい)するBルートを、JRは南アをトンネルで貫通するCルートをそれぞれ主張。県内でも地域によって考え方が違い、ルート調整は難航しそうだ。 村井仁知事は26日午前、JR東海の松本正之社長と県庁で初めて会談する。知事は「スタートラインにやっと立つ。いよいよ始まるということだ」と述べ、JRの方針について「報道でしか知らなかった。初めて聞く」と強調。「すべてはあさって(の会談)から始まる」と言い切った。 B、Cいずれのルートでも沿線となる飯田市の牧野光朗市長は「着工に向けて着実に、大きく前進したものと受け止める」と評価。「地域の悲願である飯田駅設置に向けて一層の取り組み強化を図りたい。来年からが地域の将来を左右する正念場」とした。飯田下伊那地方の経済団体でつくるリニア中央新幹線飯田駅設置推進協議会の宮島八束会長も「本格的な動きが始まったと思う」と期待感を表した。 一方、Bルート沿線の諏訪、伊那地域の自治体や経済団体は、村井知事と松本社長の会談に注目する。諏訪地域の商工会議所と商工会で構成する諏訪地区商工団体リニア駅建設促進同盟会の五味光亮会長は「知事はBルートでぶれないと言っている。県の対応を見守る」と語り、諏訪市の山田勝文市長も「県として統一で動く話。あまり地域が突出してしまうと、力が分散する」と自制の構え。 伊那市の小坂樫男市長は「都会と地域の格差も問題になる中、効率だけでなく、沿線の経済効果を考えてほしい。沿線自治体の意見も聞いてもらえるよう期待する」と語った。 両ルートからは外れるが、中信地域の中核となる松本市の菅谷昭市長は「全体でBルートで行くと決めたので、それで行くのが筋だ。県と歩調を合わせていく」と従来通りの姿勢を示した。
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