刈田病院 実質赤字8億4000万円 大幅拡大公立刈田総合病院(宮城県白石市)の赤字が拡大している問題で、本年度の実質赤字は約8億4000万円に上る見込みであることが24日、明らかになった。来年3月末時点で6億円の資金不足が見込まれ、運営する「白石市外2町組合」は金融機関からの一時借り入れでしのぐ方針。同日開かれた組合議会12月定例会で、赤字見込みを反映させた病院事業会計補正予算が原案通り可決された。 それによると、本年度の病院事業収益は当初予算に比べ15億5600万円少ない39億9800万円、病院事業費用は7億300万円減の54億8800万円。 収支は約14億9000万円の赤字を計上。減価償却費を除いても約8億4000万円の実質赤字となり、2007年度の1億7700万円を大きく上回るのは確実な情勢だ。 赤字拡大の最大の原因は医師不足。07年4月に35人いた常勤医師は25人にまで減った。年内中にさらに3人が退職する予定だという。 議会では来年2月1日付で常勤医師2人、4月にもう2人の採用が内定したことも報告された。 今年8月に着任した高林俊文院長は「来年度中に30人体制にしたいと考えている」と答弁。組合管理者の風間康静市長も「30人以上いれば経営が成り立つ」との認識を示した。 病院は来年1月、ベッド数308床のうち60床を休止し、運営の効率化を図る。 一時借り入れの返済も含めた白石、蔵王、七ケ宿1市2町からの特別繰り出しについて、風間市長は「病院収支は医師数と密接な関係にある。どうしても必要であれば検討したい」と述べるにとどめた。
2008年12月25日木曜日
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