24日午後5時半ごろ、福岡県久留米市津福本町の西鉄天神大牟田線試験場前‐津福の踏切内で、立ち往生して停車中の会社員男性(27)=佐賀市=の乗用車と、福岡天神発大牟田行き特急電車(7両)が衝突した。男性は逃げて無事で、電車の乗客約600人にけがはなかった。クリスマスイブの夜だったが、西鉄によると、この事故のため上下線計235本の電車が最大で3時間以上遅れ、約5万人の足に影響が出た。
事故のため同線は折り返し運転。花畑駅(久留米市)は大牟田方面への代替バスを待つ人が列をなした。大牟田駅に向かう男性(40)は「家族に食事を待ってもらってる。この日でなければなんてことないんですが」。
福岡(天神)駅も混雑し、久留米市の会社員内田正和さん(41)は「子どもに見つからないよう家にプレゼントを隠してあったが、さっき『遅くなるから開けといて』と電話した。一緒に開けるのが楽しみだったが…」。福岡市南区の石塚俊秀さん(40)は「家族でディナーの予定で、4人の娘が待っている。さっき家族から『まだ帰ってこんの』と電話があった」と困惑していた。
久留米署によると、電車運転士は「約100メートル手前で車に気付きブレーキを踏んだが、間に合わなかった」と話している。
=2008/12/25付 西日本新聞朝刊=