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 5月30日(金)から6月1日(日)の3日間,韓国の蔚山(ウルサン)広域市で「第9回蔚山くじら祭り」が開催されました。祭りの主な舞台は,長生浦(チャンセンボ)海洋公園と蔚山大公園。今年はIWC(国際捕鯨委員会)ベルリン会議を目前に控え,2005年のIWC会議を蔚山に誘致しようと例年以上の盛り上がりをみせました。
 蔚山広域市の盤亀台(バンキダイ)には,捕鯨をしていたと推察させる先史時代の岩刻画が残っています。そして,長生浦海洋公園のある長生浦港は韓国最大の捕鯨基地だった港でもあります。日本人同様,数千年前よりクジラとともに暮らしてきた韓国の方々が,これからの人とクジラとのかかわりを見直していこうと開催される「蔚山くじら祭り」。韓国の伝統芸能の公演や市街行進,「鯨のど自慢大会」や「粘土で鯨作り大会」などクジラをテーマにしたイベントが盛りだくさんの3日間でした。
 また,日本からもたくさんの方々が参加。日本捕鯨協会によるクジラ料理の試食会や長崎県・有川町の太鼓公演も人気を呼び,クジラ文化を有する者同士,交流を深める祭りとなりました。
 なお,先のIWCベルリン会議において,2005年のIWC会議が蔚山で開催されることに決定しました。「蔚山くじら祭り」に集った人々の熱い思いが実った結果ではないでしょうか。おめでとうございます。

▲初日の30日(金)には日本からの訪問団を歓迎するレセプションが開かれました。来賓あいさつをする「海の幸に感謝する会」の米澤邦男 会長。総勢120名による日本訪問団の団長を務められました ▲「第9回 蔚山くじら祭り」の名誉委員長でもあるイ・チェイク 南区庁長と握手する江島 潔 下関市長。クジラ文化を通じて,韓国と日本との固い絆が結ばれます ▲歓迎レセプションをしめくくる記念撮影では,参加者多数のために2度に分けての撮影となりました。その後は,いよいよクジラのお祭りへ
▲あいにくの雨となりましたが,長生浦海洋公園では「第9回 蔚山くじら祭り」の開幕式を前に古式捕鯨を再現した踊りが披露されました ▲日本捕鯨協会によるクジラ料理の試食会も同時に開催。美味しいクジラ料理があれば雨にも負けません
▲冷えた体も,温かいクジラ汁で生き返ったのでは ▲「第9回 蔚山くじら祭り」の開幕式では,江島 市長が来賓あいさつ ▲関係者や来賓の方々のテープカット(実は花火の点灯スイッチ)によって,「第9回 蔚山くじら祭り」が開幕されました
▲開幕祝賀公演として披露された韓国の地域芸能。動きも衣装も踊り手さんも,とても美しいですね ▲日本からは長崎県有川町の子供たちによる羽差太鼓の実演。勇壮な太鼓の響きが蔚山の夜空に響き渡りました ▲韓国の人々はとてもパワフル。夜が更けるまでクジラのお祭りを堪能していました
▲2日目の31日(土)は,蔚山大公園で開場式が執り行われました ▲関係者や来賓たちによるテープカットの模様
▲会場に設置された文字ボードを来場者たちのクジラシールが埋めていきます。祭りが終わる頃には一杯になっているのでしょうか。共同船舶株式会社の小川 洋 社長も来場の証を残しました ▲公園内にはたくさんのブースが設置。写真左側は日本捕鯨協会,右側は下関市の展示ブースです
▲日本捕鯨協会のブースでは,鯨類捕獲調査から得られた最新の情報などが,パネル展示で紹介されていました ▲これはブースを訪れた人に配られていたクエールくん風船。ハングル文字で日本捕鯨協会と書かれているようです。もらった女子学生もにっこりVサイン
▲パネル展示を見学するパク・クビョン 教授(釜慶大学校名誉教授)。長崎県・生月町で行われた「第2回 日本伝統捕鯨地域サミット」でも研究発表をされました ▲各ブースではさまざまなクジラグッズが販売されていました。見学されているのは長崎県・生月町の森 隆俊 町長(写真中央)と,長崎県・有川町の井上俊昭 町長(写真左) ▲特別設置の舞台では祭りを祝う韓国の踊りが披露されました
▲長崎県・有川町の子供たちによる羽差太鼓のパフォーマンスはここでも大好評 ▲顔にクジラのペイントをした子供たち。韓国の子供は元気一杯。みんなクジラが大好きなようです
▲来場者が参加できる「クジラさん遊ぼう!」のコーナー。みんな一体となってクジラのお祭りを楽しみました ▲最終日の1日(日)は,前日までの雨と打って変わって真夏の空。子供づれの参加が目立ちました。風船をふくらませて配っているのは日本捕鯨協会の服部則宜 理事 ▲このかわいい親子クジラは「粘土でクジラ作り大会」の作品
▲長生浦海洋公園で行われた蔚山の伝統的な祈祷儀式「イル グアン ウォル グアン ホ ゲ グッ」 ▲会場には,クジラ料理店のテントがいくはりも出店。店頭に,クジラの骨格標本を展示しているお店もありました
▲お祭りのメーンイベントともいえる「古式捕鯨再現踊り」。盤亀台の岩刻画に刻まれている先史時代の捕鯨の様子を歴史的な考証を通じて再現したものです
▲社団法人 大韓キョンシン連合会蔚山支部のみなさんが,歌と踊りで忠実に再現していました ▲陸に引き上げられたクジラさん。お口の中はどうなっているのでしょうね
▲「古式捕鯨再現踊り」に続いては「クジラ引き大会」。伝統的な捕鯨文化の中で生きてきた地元の人々が在りし日への想いを込めて力いっぱい綱引きです ▲全力を出し切った後は,美味しいクジラ料理をお腹いっぱいに味わいました
▲蔚山の「ホテル現代」が主催した「鯨ケーキ作り大会」。来場者によるケーキ作りの挑戦コーナーです。完成したケーキの海を泳ぐのは3頭のクジラでしょうか ▲韓国最大の財閥である「現代グループ」の本拠地で,工業都市としても栄える蔚山広域市。古来から受け継がれてきたクジラと人との関係を絶えさせないためにも,2005年のIWC会議を有意義な会議にしてほしいものですね

 

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IWC会議のページ
  「ベルリンPHOTOレポート」6月19日(木曜日)
   2005年度IWC会議開催地“蔚山”に決定

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  「第8回蔚山くじら祭り」

 


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