伊南行政組合(組合長・杉本幸治駒ケ根市長)は、経営が悪化している昭和伊南総合病院の経営再建のため、外部からの経営者招致を含む「5カ年改革プラン」(09~13年度)の素案を策定し、22日の同組合議会の全員協議会に提示した。同病院では今年度10億円もの赤字となる見通しで、経営難に直面している。
素案では、同組合長が新たに任命する事業管理者に経営を任せ「民間の経営感覚による経営改革を進めてもらう」(行政組合事務局)ため、地方公営企業法を全部適用し、経営改善に取り組む。全部適用になると、事業管理者が人事・予算案作成権を持つ。
駒ケ根市など組合加盟の1市3町村が分担拠出する年2億円の支援を23年まで受け、さらに人件費約3割カットや薬品代、給食などの業者委託経費を圧縮。年間約50億円の運営費を10億円削減することなどで10年度の黒字化を目指すという。
また、病院の病床数を300から220に縮小すると同時に、使わなくなった80床を外部の医療機関にも開放する。
同病院は南信地域の救急救命センターの指定を受けているが、改革プログラムでは「三次救急の受け入れは困難」として指定解除の検討も視野に入れている。【仲村隆】
毎日新聞 2008年12月24日 地方版