THE爆弾処理班 アポロ



民間軍事会社ボムバスター…危険な仕事を請け負う「BB」の構成員の中でも、
爆弾と直接対峙するBナンバーの殉職率は、郡を抜いている。
そして、その任務の性格上、Bナンバーはどちらかというと社会からドロップアウトしたような、
世間から捨てられた、あるいは自ら逃げ出したような者が多かった。

任務がそのまま死と隣り合わせのBナンバーにとって、家庭を持つ事はリスクにしかならず、
そういう意味ではうってつけの人種、ではあった。
さらに加えれば、生存率の高いBナンバーはそれだけで貴重な経験者であり、
任務外の時に娼婦と性交して、宜しくない病気を患うような事態は会社とって損になる。
優秀なBナンバーを動かせないというだけで、緊急性の高いこの業務には機械損失なのだ。

そこで、任務報酬オプションとしてBB内の女性社員を任意の時間、自由にできる…そんな制度が出来た。
当初はBナンバーへ過剰な配慮のしすぎだ、という声も大きかったが、
指揮権を持つ「M」の鶴の一声で実現した。
今ではその制度に理解ある14名の女性社員がオプション要員として登録されている。
結果的に、Bナンバーの離職率低下と稼働率向上が数値に表れた事で、制度は成功だったと言えた。

・・・

その中でも、アポロは美貌と若さもあり、Bナンバーには一番人気だった。
彼らはアポロを抱くと、いずれの者も、その子宮へ精液を流し込む事に執心した。
アウトローで、世間との接点を喪失しかけた彼らだからこそ、この世に自分の生きた証を残したかったのか。
ましてや、任務とあれば明日は死を迎えるかもしれないのだ。
死、すなわち全てを失う彼らが、アポロのような美少女の中に自らの種を残したい…と、
無意識にそう思う事は、当然なのかもしれない。

しかし…当然、抱かれるアポロは避妊の処置を行っていた。
彼女もまた優秀なAナンバーのオペレーターであり、産休など取れる余裕など無い。
万一、子を産んだとしても…もし、その父親が存在しなかったら、その子供はどうなるのか。
結局、Bナンバーがこの世に何かを残すこと、それ自体が叶わぬ夢なのだ。
だが、アポロは忘れない…自分と身体を重ね合わせ、やがてこの世から去った男達の事を。
Bナンバーと呼ばれた彼らが、確かにこの世界に存在した事を。
たった一夜でも、その情熱を受け止めた自分だけは、忘れないと、心に誓っていた。

・・・

「なに!?アポロ!俺はそんな制度、聞いてねぇぞ!!」
「バート…そもそも、契約時にあなたが自分から報酬の話を切り出したんでしょう?」
「そ、そう、だが!くそッ、そんな話を聞いてりゃ…次の契約の時は、絶対…!」
「…な、なによ。そ、そんなに…その、私と…」
「ふふふ…Mのヤツを、あの氷の女を俺のでヒィヒィ言わせてやるぜッ…!」
「………あっそ、頑張ってね」
「え?お、おい、アポロ!もしもーし!おーい!くそッ、通信切りやがった!何なんだ、アイツ…」


セリフ無し

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