殺人未遂:容疑の母親、1歳児に異物入り点滴 京都府警

入院中の子どもの点滴に母親が異物を混入する事件があった京都大病院=京都市左京区で2008年12月24日午前11時21分、望月亮一撮影
入院中の子どもの点滴に母親が異物を混入する事件があった京都大病院=京都市左京区で2008年12月24日午前11時21分、望月亮一撮影

 病気で入院している五女(1歳10カ月)の点滴に異物を混入し殺害しようとしたとして、京都府警捜査1課と川端署は24日、岐阜県関市の無職の女(35)を殺人未遂容疑で逮捕した。女は「子供の病気が悪化すれば付き添ってやれると思った」と供述し、殺意を否認しているという。

 府警によると、女は会社員の夫と長女、五女との4人家族。次女、三女、四女はいずれも4歳までに病院で亡くなっている。

 調べでは、女は22、23の両日に1回ずつ、京都市左京区の京都大付属病院に入院していた五女の点滴に注射器を使って異物を混入、殺害しようとした疑い。女児は発熱しただけで命に別条はなかったが、府警は放置すれば敗血症で死亡する恐れがあったとしている。

 女児は12月初め、岐阜県内の別の病院から転送。その当時も発熱や血圧上昇など敗血症の症状があった。病院側によると、血液検査で台所周りなどでみられる雑菌数種類を検出。通常は体内に入らない菌だったため、府警に相談の上、病室にビデオを設置するなど注意していた。

 23日午後5時半ごろ、女が点滴の管を触ったり、ポケットから何かを取り出したりする仕草がビデオに映ったことから、警察官が職務質問し、所持品から注射器を発見。24日になって、腐りやすいようスポーツドリンクを混ぜた水を7~10日放置し、混入したことを認めたという。

 府警によると、逮捕された女は、人の注意を引きつけるために病気の症状をまねる精神疾患の一種ではないかと医療関係者から指摘されていた。この疾患では、子供を病人に仕立て、献身的な介護者を演じることもあると報告されているという。【田辺佑介、珍田礼一郎、谷田朋美、朝日弘行】

毎日新聞 2008年12月24日 13時05分(最終更新 12月24日 13時42分)

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