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asahi.com:兵庫県の派遣補助金、松下PDPがほぼ独占††ビジネス 2006年08月09日10時20分
新たな雇用を生み出した企業に対して交付される兵庫県の雇用補助金のうち、派遣労働者を対象に交付した補助金は、ほぼすべてが松下プラズマディスプレイ(MPDP)向けだったことがわかった。正規雇用だけでなく、派遣も対象にする雇用補助制度は全国でも珍しいが、制度を利用した他社からは「派遣も対象とは聞いていなかった」との指摘が相次ぎ、補助金運用の不透明さが浮かび上がっている。
同県は、県内在住の正規社員か派遣会社からの人材を新規採用した進出企業に対し、1人あたり60万〜120万円を助成。05年度までに21社に新規採用者1599人分にあたる計12億2040万円を交付した。このうちMPDPは05年度に派遣労働者236人分の補助金(正社員6人を含め2億4540万円)を受け取った。しかし、他の企業で派遣を対象に受け取ったのは、1社しかなく人数も2人分だった。人数ベースでは派遣に対する補助金の99%以上がMPDP向けだった。
県によると、制度ができた02年度当初から、派遣も補助対象にすることを想定していたが、明文規定はなかった。企業から問い合わせを受けて03年11月に派遣を補助対象とすることを確認する内部規定を文書化したが、その後も外部に示す文書には明記せず、申請企業との事前相談のなかで口頭で「正規社員と派遣は補助対象」と説明してきた、という。
しかし、MPDP以外の20社中、朝日新聞に対し、9社は「派遣が対象とは知らなかった」と明言。「県から『正規社員が補助対象』と説明された。派遣も対象と聞いていたらもっと多く申請した」という企業もある。
MPDPは補助金受領後、派遣を補助対象外の請負に切り替えていた問題が発覚している。県は、請負への切り替えについて「何ら問題ない」とし、派遣への補助金を同社がほぼ独占していたことも「たまたまの結果」と説明。ただ、他の企業が派遣が対象と知らなかったことについては「公平だったかどうか調べたい」としている。
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