2008年12月03日

「遺贈する」と「相続させる」の違い〜遺言書

■遺言書の言葉の使い方に注意


「遺贈する」という言葉を平たく言うと、
遺言により「与える」「譲る」「あげる」
などの言葉になります。

遺言書を書くとき、
「私が死んだら私の土地・建物を相続人Aにあげる」
と書いた場合と、「
私が死んだら私の土地・建物を相続人Aに相続させる」
と書いた場合とでは
以下の点で大きな違いがありますので
ご注意ください。

言葉の使い方ひとつで、
面倒な手続きが必要になったり、
知らないと余分な税金を払う結果となってしまいます。


■登記に必要な書類


所有権移転登記手続きをする際に、
「遺贈する」と書いた場合は、
他の法定相続人と共同で登記申請をしなければなりません。

このため、
法定相続人全員の印鑑証明書等を必要とし
大変手間がかかります。

また、相続人間で争いがある場合は、
他の相続人から協力を受けるのが困難なため、
家庭裁判所に遺言執行者の選任の請求を
しなければならないかも知れません。

これに対し、
「相続させる」と書いておけば、
不動産を相続する人が単独で申請することができるので、
登記手続きが簡単になります。


■登録免許税


不動産を相続した場合の
所有権移転登記に要する登録免許税ですが、
「遺贈する」とした場合は、
不動産の価格の1000分の20ですが、
「相続させる」とした場合は、
1000分の4になります。

ただし、
「遺贈する」とした場合でも
相続人であることを証する戸籍謄本等
を添付して登記申請を行えば、
1000分の4の税率が適用されます。


■不動産取得税


「相続させる」とした場合や
相続人に対し「遺贈する」とした場合は、
不動産取得税は課税されませんが、
「贈与」した場合や、
相続人でない親族などに「遺贈」した場合は
不動産取得税が課税されます。


※ 遺贈とは

遺贈とは、
遺言によって遺産の全部又は一部を特定の人に
無償で与える行為をいいます。

遺贈の利益を受ける者を「受遺者」と呼び、
遺贈を実行すべき義務を負う者を「遺贈義務者」
と呼びます。

遺贈は

遺言によってなされる相手方なき単独行為であり、
死後行為です。

死因贈与は

遺贈に類似していますが、
契約である点が遺贈と異なります。


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2008年12月4日(木)










posted by 税理士西塚智裕 at 18:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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