●更新日 12/23●
ジャスコ松阪店の安全宣言は嘘?専門誌が反論を提起
ジャスコ松阪店等から成るショッピングセンター「マーム」の騒動の続報をお届けする。(スパイ日記記事1 2 3 ニュースウォッチ記事1 2 3 4)
同店では、2008年12月18日に安全宣言を出した。受水槽の水質には問題はなかったという趣旨で、検証結果についてのデータと今後の方針が記されている。調査に当たった専門委員会については、水質の問題に関する調査にもかかわらず委員長が精神科医であること、その人物に「イオンリテール(株)中部カンパニー 産業医」という肩書きがあったことなどが話題になった。
一連の問題について、「週刊建築設備ニュース」が反論を展開している。同誌2008年12月14日号によると、塩素に対して強い耐性を持つ原虫の場合、残留塩素で死滅することはないという。残留塩素の測定結果に基づいて安全性を宣言できるのは、水道局からの上水で汚染物質の混入が途中で発生しないものに限られるとのこと。
更に同誌は12月21日号で、各種のウイルスは検出されず水質も適正であったという、専門委員会の報告にも異論を提起する。上述のように、原虫が存在したとしても残留塩素の値に異常はなく、法定の51項目検査でも何も出ないという。原虫がビルの受水槽に混入して集団感染した例があり、通常の検査では発見できないとのこと。「汚染物質が入った水でも、水質検査に異常が無ければ安全」というのは法律の曲解だと、厳しく非難している。
事件を積極的に報道することがなかった中日新聞に対しても、ネット上では批判的な意見が多い。12月13日に同紙三重県版に「基本姿勢欠かせない」と題して、三重総局長の中西英夫氏による記事が掲載された。同紙では事件の翌日には事態を把握していたが、水質の安全が確保された状況で報じることは人々の不安を煽ることになると考えたという。そうした理由から記事の掲載を見送ったと、謝罪の意を述べている。
これに対してネット上では、同紙関係者とイオン幹部等との人脈への配慮があったのではないか、といった疑問が続出した。当サイトに寄せられた情報によると、事件の第一報が夕刊三重新聞に掲載された後に中日新聞に問い合わせた人物は、事件について同紙に話しても、ほとんど相手にしてもらえなかったという。
この事件に関する報道の多くは一方的で、異なる主張を比較する視点が乏しい。そのことも、人々のマスコミ不信を増長させる一因だろう。
探偵ファイル
|