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[米国]
マイクロソフト、新CM「I'm a PC」を公開――Mac対抗を皮肉交じりに表現

Windowsのイメージ向上をねらい、大規模な広告キャンペーンを展開

(2008年09月19日)

 いろいろな意味で、米国Appleは業界屈指の巨大企業だと言える。時価総額は1,180億ドルと米国Hewlett-Packard(HP)を上回っており、今年ごく短期間ながら米国Googleを抜いた。また、売上高は過去5年に年率40%近い成長率で拡大し、年商は310億ドル近くにまで達している。それに加え、一般大衆における同社の知名度は高い。

米国Microsoftの広告キャンペーン「I'm a PC」のWebサイト

 しかし、Macは高い成長率を示しているものの、PC市場全体に占める割合は相変わらず小さいままだ。米国の調査会社GartnerとIDCによると、直近の四半期(2008年4-6月期)に米国内で販売されたPCのうち、12台に11台がWindows搭載PCだったという。

 Microsoftがゾウのように巨大で、Appleがネズミのように小さいということ。それこそが、Microsoftが9月18日から開始した新しい広告キャンペーン「I'm a PC」において、Appleへの直接的な攻撃を避けている理由だ。

 Microsoftのコーポレート・コミュニケーションズ担当ディレクター、エリック・ホルライザー(Eric Hollreiser)氏は、“Mac対PC”を描いたAppleの「Get a Mac」広告キャンペーンについて、「マーケティングの基本中の基本だ。ナンバー・ツーがナンバー・ワンにケンカを仕掛けるのは明らかに理にかなっている。しかし、Microsoftとしては、Appleの広告キャンペーンへの反撃に多大な時間を費やすつもりはない」と語る。

 ではなぜお返しに、Appleに対するネガティブ・キャンペーンを展開しないのか。ホルライザー氏によると、Microsoftでは、むしろ遠回しに「Windows. Not Walls(窓です、壁ではありません)」といったスローガンを掲げながら、Windowsのイメージ向上を図っていく方針であり、そうした広告キャンペーンを展開することがAppleとの差別化にもつながると考えているという。

 「競争相手についてではなく、自社やWindowに関することを人々に伝えたい」(ホルライザー氏)

 Microsoftの新CMの中で最もAppleを意識したと思われる部分は、ショーン(Sean)というMicrosoft従業員が、冒頭で「私はPCです。これまで固定観念を押しつけられてきました」と語るシーンだ。この従業員の風貌は、AppleのCMでPCユーザーを演じている俳優ジョン・ホドマン(John Hodgman)氏にそっくりである。

 この60秒CMは、米国東部時間の9月18日午後9時30分から、米国NBCのテレビ番組「The Office」のCM枠で初放映され、同時にYouTubeとMicrosoftのWebサイト上で公開された。

 Computerworld米国版ではプレビュー版を視聴したが、作家のディーパク・チョプラ(Deepak Chopra)氏や、女優のエバ・ロンゴリア(Eva Longoria)氏、同氏の夫でバスケットボール選手のトニー・パーカー(Tony Parker)氏といった有名人をはじめ、それほど知名度の高くない成功者らも出演し、自分たちが「PCユーザーである」理由を語っていた。

 ほかにも、グラフィティ・アーティスト、オバマ氏陣営のブロガー、マケイン氏支持のアナウンサー、スキューバ・ダイバー、宇宙飛行士、白髪まじりの漁師など、出演者は多岐にわたっている。

(Eric Lai/Computerworld米国版)




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