実際には、日本と朝鮮と中国東海岸が描いてあります。

日本は細かく描いてあります。やや形は歪ですが、四国・九州・そのほかの島も描いてあります。地名も、山・川・湖なども、たくさん描いてあります。16世紀末、ヨーロッパ人は日本について地理知識を持っていました。

朝鮮は、「Corea Insula」つまり「朝鮮島」と描いてあります。不正確です。地名も2つしかありません。北に「Tauxem」南に「Corij」だけです。川なども、あまり描いてありません。ヨーロッパ人は朝鮮の地理知識を持っていなかったようです。興味がなかったのでしょうか？

しかし、大事な情報が描いてあります。現代の釜山あたりを拡大してみましょう。

朝鮮南端に、スペイン語で、こう書いてあります。

• Puerta dos ladrones（泥棒たちの港）
• Ilhas dos ladrones（泥棒たちの小島たち）

Ortelius は、朝鮮南端（釜山周辺）が海賊の基地であることを知っていました。そして、船で旅をするヨーロッパ人に対して、警告したのです。

16世紀末は、「倭寇」活動の後期です。当時の「倭寇」には、朝癬人が多くいました。日本人になりすまして、衣装や髪型を日本人に似せて、海賊行為をしていました。（そのことは、朝鮮の歴史書にも書いてあります。）

ようするに、「Zapense 倭寇」だったのです。しかし、Ortelius はこのような偽装を知っていました。ですから、日本側ではなく、朝鮮側に「海賊基地」を書き込んだのです。そして、これがほぼ唯一 Ortelius が朝鮮について書き込んだ重要な情報でした。