故佐藤栄作元首相が1965年のマクナマラ米国防長官との会談で、中国との戦争になった場合に、米国に核兵器による攻撃を求めていたことについて、県内の被爆者・平和団体の関係者は「非核三原則を唱えながら、国民をだまし続けた」と厳しく批判した。
長崎原爆遺族会会長の下平作江さん(73)は「とんでもないことでびっくりした。15年ほど前に米国で被爆体験を話したときに『日本だって核を持っているだろう』と言われたのは、佐藤首相がこんな発言をしていたからかもしれない」と驚きを隠せず。核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委員会事務局長の広瀬方人さん(78)は「非核三原則を唱えながら、核を持ち込ませることを黙認する発言だ。やはりノーベル平和賞には値しない首相だった」と憤った。
佐世保市吉井町の平和祈念館「天望庵」の藤原辰雄館長(81)は「戦前や戦中だけでなく、戦後も権力者は国民をだまし続けてきたということだ。戦争をなくすためには、国内から米軍や自衛隊など軍事力を一切取り除かなければいけないということが一層明らかになった。憲法九条を本当の意味で実現しなければならない」と訴えた。
=2008/12/22付 西日本新聞朝刊=