県内ニュース「名称変更」だけ論議を憂慮 芸工大・中山教授、構想概要を説明
2008年12月19日 08:12
ユニホームのデザイン案などを示しながら構想の概要を説明する中山ダイスケ教授=天童市、県総合運動公園内会議室
中山教授は「チームが山形そのものにならなければならない」と構想の核になる理念を披露。これを具現化する手だてとして改称や各種デザインの見直しがあると訴え、名称変更問題だけが独立して議論されている現状を憂慮した。 その上で、クラブチームである以上は世界で戦うことを常に意識すべきであるとの持論を前提に「これまでの日本のチームはすべてヨーロッパ風のデザイン。何かをまねていく時代は終わった」と、日本や山形の独自性をチームの根幹に据える必要性を強調。漢字で表記できるチーム名や、固有の歴史、文化に基づくデザインの重要性を訴えた。 中山教授が最善の候補として提案し、既に自らが商標登録を出願し保護している名称「月山山形」については、「月山は県内の4地域から見える。山形全体の誇りとなる名前」とし、デザインの展開的にも優れているとメリットを説いた。 だが、新名称候補として報道されて以降、県民各層から強い抵抗感が示されたことを踏まえ「ぼくの中ではあきらめている」とトーンダウン。今後のプロジェクトチームによる検討の中では、「山形」だけを登録名とする代案を示す意向を示した。さらに、「オフィシャルの登録名が『山形』であれば、呼称はモンテでいい」と語り「過去へのこだわりにはケアするつもり。11年間のモンテを残すための、気の効いたアイデアはある」と現行の名称に愛着を持つサポーターへの配慮も見せた。 構想が大きな波紋を呼んでいることについて「広島カープに赤をやめます、阪神タイガースに縦じまをやめます、と言うようなもの。熱心なサポーターのことを考えると最も心が痛かった」と反発を覚悟していたとし「彼らを一番泣かせなければならないプロジェクトだが、このまま無計画にチームが進めば、最終的にそういう人たちが泣くことになるのが見えた。だからあえて勇気を持って提案した」と語った。 今後の展開については「話し合いで当たり障りのないものになるのは避けたい」と折衷案で構想の理念がなし崩しになることを拒否した。 この日は、チームカラーを「白」「黒」「銀」を基調とすることや、三角形を連ねたパターンを各種デザインのベースにするアイデアも提示。「すべてメードイン山形でやりたい」と、地場産業や伝統工芸と融合させていくプランも明かし、各地でこの構想を説明する機会を設けたい意向を示した。
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