伊那市山寺の市道で20日未明、近くに住む伊那中央病院(伊那市)の医師飯島智さん(46)が死亡したひき逃げ容疑事件で、伊那署の捜査本部は21日深夜、自動車運転過失致死と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで、同市の飲食店店員少年(19)を逮捕した。
調べによると、少年は20日午前3時40分ごろ、同市山寺の市道を上伊那農業高校方面からJR伊那北駅方面に向けて軽乗用車で走行中、飯島さんとぶつかり、そのまま逃げた疑い。飯島さんは伊那中央病院に運ばれたが、骨盤多発骨折や肺損傷などの外傷性ショックで死亡した。
捜査本部の調べで、事故があったとみられる時間帯に、少年の軽乗用車が付近を通行していたことが判明。21日、少年に任意同行を求めて事情を聴いたところ容疑を認め、人をひいたことは認識していたが、怖くなって逃げた−との趣旨を供述したという。少年の軽乗用車の底には、何かをひいて巻き込んだような痕跡があったという。
県警は死亡ひき逃げ事件として伊那署に捜査本部を設置し、県警交通指導課、鑑識課などを含め100人態勢で調べを進めていた。