景気回復、2007年問題などを反映し活況が続く企業の採用活動。新卒採用においても人材獲得の企業間競争が激しさを増しています。
特に「企業文化の継承」を担う存在として、企業が特別な思いを込める新卒採用。リクルートエージェントでは、06年4月入社者より理系学生を中心とした新卒人材紹介サービスをスタートさせ、2年目の今年は初年度の7倍にも及ぶ紹介実績を残しました。企業の新卒採用の現状、新卒獲得に人材紹介サービスを利用するメリットなどについて、弊社営業担当にインタビューしてみました。
■インタビュー協力
株式会社リクルートエージェント
新領域統括ユニット新卒事業開発マーケット
採用支援1グループ グループマネージャー
辻井 寿氏
編集 「新卒採用に人材紹介サービスを利用する」という構図は、まだ一般的には馴染みが薄いと感じますが、06年4月に71名だった紹介実績が今年は7倍にも近い481名に伸びたと聞いています。企業、学生にどのような変化があるのでしょう?
辻井 理系学生と海外留学者を対象に新卒紹介を行っていますが、両者に共通しているのは、一般学生と異なり就職活動が非常に限られているという点。企業側から見れば特別なルート等がない限り出会えない人材でもあり、そこにエージェントが介在する意味があると感じています。
例えば、大手電気メーカーは電気・電子・機械系のエンジニアは採用できても情報工学系の学生は応募者すらない。化学メーカーでは化学系人材は採用できてもプラント設計などに関わるエンジニアは、採用が難航する等の課題があります。そういうケースでも、私たちが介在する事により、採用が可能となります。
編集 エンジニア職は学校推薦で決まると言われていますが課題も多い?
辻井 知名度の高い民生品メーカーでさえ、本業と離れた領域のエンジニア採用には(情報システム部門など)苦戦するほどです。業界シェア2位の企業になると途端に学生の認知度が下がり、さらに新興企業となると学校推薦のルートも無い場合が多いのです。しかし私たちが学生に企業紹介を行うと、「そんな仕事があるのか」「そんな技術を持った会社があるのか」と就職先の1社として考えてくれるようになります。今年は大手企業にも多数入社しましたが、このサービスによって従業員3名のベンチャー企業にも複数名の新卒紹介が実現しています。
編集 留学生に関してはどのような企業からのニーズがあるのでしょうか?
辻井 メーカーや商社などのグローバル企業や外資系企業などが中心ですが、大手流通やサービス業等からもニーズはあります。米国を中心とした4年生大学・大学院で学んでいる学生は、早い段階から外国で学ぼうという思いと行動力があり、自立しています。また自分からコミュニケーションを取りにいこうという積極性も強い。そういう人材を採用したいという企業はとても多いのです。しかし企業は、秋にボストンで開かれるフォーラムに参加する他は夏休み、冬休みの帰国時に会社説明会に呼び込むしかありません。そこで私たちが確実に接触できる機会を確保し、新卒として採用するチャンスを創出しています。
編集 企業と学生の双方に選択肢を広げるサービスといえると思いますが、その他の特徴としていえる事は?
辻井 研究に熱中していて就職活動に出遅れた、などという学生が本当に少なくないんです。年間を通してそんな人材側の「新規登録」があるため、主力内定時期を過ぎても優秀な人材に出会えるという点です。新卒採用のスケジュールは、通常1月から企業説明会を行い、4月に面接、5月には大手企業の内定が出るというのが慣例です。しかし9月10月に内定辞退があり、その段階で急遽新しい人材を探すというハプニングも少なくありません。そんな時エージェントを活用して頂ければ非常に効率的です。
秋から広告費をかけたり企業説明会を実施するのは、企業にとっては大きな負担ですよね。私たちに声をかけてくだされば、ニーズに合った学生をピンポイントでご紹介する事ができます。