ニュー・リッチの世界
光文社ペーパーバックスは不思議な書籍である。ひらがな、カタカナ、漢字に加え英語が併記して横書きで書かれている。この英語の併記によって何ともシニカルなムードが書籍全体に漂ってくる。かつて田中康夫氏が多用していた、漢字の振り仮名を英語(ただしカタカナ)で行う手法に似たものを感じる。
そんなペーパーバックスの最新刊のこの本を新聞広告で見つけて買ってみた。
年収5千万円から1億円の人たちのライフスタイルということで5大ニーズが「資産防衛」「教育」「エンターテインメント」「アンチエイジング」「セキュリティ」と紹介されている。また海外での子供の教育やらハイライフカレンダーやら読んでいても何だかピンと来ない話も紹介されている。
読んでいるうちに、本当にこんな世界はあるのだろうか?どこまでがリアルでどこまでがセンセーショナルに書かれているのだろうか?と段々妙な気分になってきた。話のスケールが大きすぎるのである。しかし、そう思う理由は自分が経験したことの無い世界だからだ、と納得した。自分が肌感覚で経験したことでないと、書籍で知った内容であっても実感できないのである。
富裕層ビジネスが盛んになってきているが、このようなニュー・リッチをターゲットにビジネスをしている人はニュー・リッチの生活を肌で感じていないとかゆいところまで手が届くサービスをできないのではないかと思った。
そう言えば日本の自動車会社が高級車を作っても性能面では凌駕できても、味わいではなかなか欧州車に並ぶことができないという話を聞いたことがある。車作りにも設計者や生産者の生活が反映している。高級車を買う人たちのライフスタイルを肌で感じられる人たちが作るものでないと消費者の真のニーズまでは捉えることができないということだろう。
300ページ以上の情報満載の1冊であるが、タイトルの「ニュー・リッチ」という言葉にはどうしても違和感を感じてしまった。これもペーパバックスお得意のシニカルな表現なのだろうか。
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内藤くんは、あいかわらず本のタイトルにケチをつけるのがお好きなようですな。「ニュー・リッチ」って要するに「成金」ってことかいな。この成金って言葉に対する反応は悪いんだよな〜。例えば、離婚評論家の池内ひ○美氏って人のことを某所で「離婚成金」って書いたら、本人と取り巻き連中が大激怒してたもんな(笑)。そういうのもあって、ニュー・リッチなんて言葉を作ったりしたんだろうね。「離婚ニュー・リッチ」だったら、あんまり怒ら・・・いや、やっぱり怒られそうだな。
ここ数日、食事ネタで突っ込むところもなく、静観してましたが、内藤さんはやっぱり食事ネタだけでは満足できないご様子ですね。
「ニュー・リッチ」については、僕がリッチでないので触れませんが、自動車の件に関しては、内藤さんの意見は明らかに間違えています。
> 車作りにも設計者や生産者の生活が反映している。高級車を買う人たちのライフスタイルを肌で感じられる人たちが作るものでないと消費者の真のニーズまでは捉えることができないということだろう。
この考えでいけば、欧州の高級車の設計者は、高級車を買う人たちに近い収入を得て、リッチなライフスタイルを過ごしているってことになると思いますが、彼らは日本の設計者より高収入かもしれませんが、そんなに馬鹿高い給料を貰ってはいません。したがって、欧州の設計者も、そういった「ライフスタイル」を実感できる機会は、そうそうありません。
どうも内藤さんは自分に都合の良いように話を単純化すると言うか、思い込みが激しいと言うか。
ちなみに、「味わい」という意味ではないかもしれませんが、米国では20〜30年前から日本車(最初、ホンダ、次いでトヨタ)が品質以外のブランドイメージも含めて人気が集まっていますし、欧州でも最近、日本車の人気が高まってきています。
(参考)http://www.yomiuri.co.jp/atcars/nichiyou/20060713ni_02.htm
日本人で、「外車(特に欧州車)がいい」と言ってる人たちってかなりの割合で、車そのものではなくブランドイメージで車を選んでいるような気がします。また、そういう人たちには、「ええかっこしい」というか「ナルシスト」というか、見てくれを人以上に気にする人が多いような気がします。そういえば、内藤さんも昔、アルファロメオに乗っておられ、ついでに松本さんは今現在もロータスエランに乗っておられるようで。
内藤さん、アルファロメオは日本車に比べてどうだったんでしょう?
yamatoさん、いやいや、ちょっと違う視点からみてみましょう。
この本のサブタイトルは、
「年収5千万円から1億円の人たちのライフスタイル」
ではないのですよ。
じゃ、何かと言うと
「年収5000万円以上、金融資産1億円以上」
おわかりですか??
実は、自分は金融資産1億円以上(多分、自社株のストックオプション)
自分もニューリッチのはずなのに、自分の趣味とは違う!だから否定している・・・
自分もニューリッチのはずなのに、何故?、”自分を取材しに来ないのだ!”という子供みたいな駄々こねてるんでしょう。
想像できますよね〜
この本に取材されて、うれしそうな笑顔で腕組みしてワインのウンチク語る姿。。。
そうなると、自慢トーク炸裂!
この出版社から興味ある本が出ました。実は自分も取材されて云々。
自分流(中身の薄い)資産運用を実践すれば、あなたも将来はニューリッチの仲間入りができるでしょう(ここで人々を見下した姿勢)。
yamatoさんのご指摘は確かにその通り。
高級車云々の部分は世間知らずっていうか、未熟な人間の考察。まあこの程度の考察力では、株式投資で個別銘柄を選別する能力はないでしょうね。どの企業が伸びて、どの企業が衰退するかわからない。だから割安銘柄投資、それもできなきゃ投信になるんでしょう。
リッチで想起されるのは、ディープパープルのリッチー・ブラック萌え。そして子供ライブドアーズのライオネル・リッチー。
・・・訳分からんこと言ってスマソ。11月23日「ピアノ」でせっかくコメントをエントリーしたのに受信拒否されたもんで、ちょっとフラストレーションが・・・
ところで相変わらず富裕層向けビジネスにご興味があるようですね。10万円から始める貧乏人よりずっと効率がいいですからね。ってシノビー社長自身がニューリッチ層なんじゃないの?私のような下流層の人間からみれば十分「ニュー・リッチの生活を肌で感じて」いるように思うんだけど。
自宅に高級ワインを貯蔵、ビアノのプライベートレッスン(ちょっとエッチな語感?)、男一人で行くとは到底思えないセレブなホテルでディナー&宿泊。人呼んでマネー王子。
ま、シノビー社長程度ではせいぜいプチブル止まりなんでしょうかね。でも株の配当収入だけで数億円ある人がすぐ近くにいるじゃん。社内ではニューリッチ相手に「かゆいところまで手が届くサービス」を十分実行できてるんじゃないのかな。それより担保の価値が突然消滅して借金の即時返済を求められた人達の生活を「肌で感じて」みるのもいいカモよ。
のいずさん、ホントだ。1億円は年収かと思ってた。年収5000万円に比べると金融資産1億円ってのはいきなりハードルが低くなるな。ストック1億円じゃそんなに贅沢できないぞ。でもシノビー社長、ニューリッチになれて良かったですね!!!!!
だ、ダメだよ大先生、人の話を聞いてネガティブモードになっちゃって。つまりこうだろ。今さら成金のことをヤッピーなんていえないし、うわべっつらのライフスタイルも物産がコケたロハスなんて使えないから安易な言葉に逃げたといいたいんだろ。そういう香具師って、例えばNPV5万のセラーに50万払うといいたいんだろ。つまりお金はあっても使い方を知らない、とねw
でもね、車の話とか例にあげてるけどやっぱり何かネジがズレてるよ。日本車に欧州の粗悪部品をつければ同じ味が出るじゃない。3年毎に壊れる発電機、1年で漏れるエアコン、新車でもアイドリングを高くしないとエンストする某B、車の維持に手間とお金がかかるから味わいがあるんだよね。外車に大枚をはたいて得るものは味わいじゃなくて、単なる妄想の自己満足じゃないのw
当然それぐらい大先生なら分ってるよね。だから、ビッツのエンジンスタートボタンを押しながらヤリスに乗ってると勘違いする、そんな香具師をセミナに呼んでカモってるんだもんねw
体験しなければわからないなんてことになると証券会社はビジネスが成立しないというか、顧客のニーズは絶対わからんのではないかとふと思ったり。
証券会社は基本的に社員の短期の売買を禁止していると思うのですが、そもそも株式の売買をしない人も多いのではないでしょうか。
だからといって、顧客の気持ちは全く想像もできませんなんてことでは商売あがったりです。
経験しなくても、他人の思ってることや感じていることを想像する力が大事なんですかねぇ。
完全にわかっちゃったらスーパーマンですけども、少なくとも理解しようという気持ちは大事ですかね。