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産科医バンク:不振、求職登録わずか3人 県が3月設置以来、就業ゼロ /神奈川

 産科医不足解消のため、求職・求人情報を両方とも登録し医師と医療機関を橋渡しする県の「医師バンク」が今年3月の設置以来、就業に至ったケースは一件もないことが分かった。求職登録している医師はわずか3人で、医療機関からの求人数も伸び悩んでいる。勤務形態などの条件が折り合わないためで、医師確保につながっていない状況だ。

 県によると、バンクは産科・産婦人科が対象で、求人登録している病院・診療所は現在15カ所。募集数は常勤24人、非常勤5人で、常勤医師の需要が高い。一方、求職登録している医師は、50代の男性2人と70代の女性1人にとどまり、うち男性2人は非常勤の勤務を希望している。いずれも報酬や勤務地などの条件も折り合わず、就業は実現していない。

 医師バンクは県が設置し、県医師会に運営を委託している。育児などの事情で現場を離れた医師が主な対象。ホームページやチラシなどで登録を呼びかけ、医師と医療機関双方の希望を基に、就業をあっせんする仕組み。県は今年度、委託費や医師の復帰に向けた研修費として約1400万円の予算を組んでいる。

 19日あった医師確保策を検討する県医療対策協議会の会合では、委員の医師から「登録したい人がいないのにバンクを設置するのは税金の無駄遣い」「派遣会社を通じた就職は多いが、行政や医師会の名では集まらない」と、効果を疑問視する声が上がった。県は「非常勤で働ける開業医に登録を呼びかけるなど、広報に取り組みたい」と話している。

 厚生労働省調査によると、県内の産科・産婦人科医の病院勤務医は06年度363人で、過去10年間で2割近く減っている。【五味香織】

毎日新聞 2008年12月22日 地方版

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