定義 1.60 (内積)
![$ \mathbb{R}^{n}\ni\vec{a}=
\begin{bmatrix}{a_{1}}\\ [-.5ex]{a_{2}}\\ [-.5ex]{\vdots}\\ [-.5ex]{a_{n}}\end{bmatrix}$](/contents/003/355/758.mime5)
,
![$ \vec{b}=
\begin{bmatrix}{b_{1}}\\ [-.5ex]{b_{2}}\\ [-.5ex]{\vdots}\\ [-.5ex]{b_{n}}\end{bmatrix}$](/contents/003/355/759.mime5)
に対して
| |
 |
(65) |
なる二項演算を
内積(inner product)または
スカラー積(scalar product)という.
また,

に対しては
| |
 |
(66) |
と定義する.
定義 1.61 (複素数)
複素数(complex number)とは,
実数

に対して

で定まる数である.
ただし

は

をみたし,
虚数単位(imaginary unit)と呼ぶ.

を
実部(real part)といい

と表す.

を
虚部(imaginary part)といい

と表す.
虚部が

のとき

は
実数(real number)といい,
実部が

のとき

は
純虚数(pure imaginary number)という.
複素数全体の集合を

と表す.
実部

を横軸に虚部

を縦軸にとることできる
集合

の平面を
複素平面(complex plane)と呼ぶ.
複素平面の横軸を
実軸(real axis)といい,
縦軸を
虚軸(imaginary axis)という.
また,複素数

に対して複素数

を

の
複素共役(complex conjugate)という.
実数

を

の
絶対値(absolute value)
または
大きさ(modulus)という.
実数

を

の
偏角(argument)という.

は複素平面上で原点
0 と

との距離を表し,

は点
0,

を通る直線と実軸とのなす角を表す.
定理 1.62 (複素数の性質)
複素数

に対して次の性質が成り立つ:
(
i)

(
ii)

(
iii)

(
iv)
(
v)

(
vi)

(
vii)

(
viii)

は実数
(
ix)

は純虚数
例 1.63 (内積の具体例)
ベクトル
 |
(67) |
の内積は
 |
(68) |
である.
例 1.64 (内積の具体例)
ベクトル
 |
(69) |
の内積は
 |
(70) |
である.
例 1.65 (内積の具体例)
ベクトル
 |
(71) |
の内積は
 |
(72) |
である.
問 1.67 (内積の性質)
これを示せ.
平成20年2月2日