肥満はすべての生活習慣病に関係する危険因子。肥満予防の食事は、生活習慣病の予防食でもあります。
体脂肪が蓄積する場所によって、肥満のタイプが異なります(下記のイラスト参照)。
内臓脂肪型肥満は、皮下脂肪型肥満に比べ寿命を縮める危険性が高いため、特に注意しなければいけない肥満のタイプと言われています。
内臓脂肪型肥満であり、なおかつ血糖値や血圧、中性脂肪値、LDLコレステロール値などが少し高めという軽度な症状でも、2つ以上持ち合わせると動脈硬化の進行が加速されます。
このような状態を「メタボリックシンドローム」と呼び、平成20年4月から、医療保険者に対し、40〜74歳の加入者(被保険者・被扶養者)を対象とした特定健康診査と特定保健指導の実施が義務付けられることになりました。
太りやすいライフスタイルにサヨナラしましょう
- 1. 決まった時間に食事する!
食事が不規則だと1回の量もまちまちで、つい間食してしまいます。
忙しくても食事は定時にとることが基本です。夕食はせめて就寝2〜3時間前にはすませるように心がけましょう。 - 2. 料理は1人分ずつ盛りつけて。
大皿盛りは便利ですが、これでは食べた量がわからず食べ過ぎの原因に。
個々のお皿に1人分ずつ盛りつけて食卓に出しましょう。 - 3. まとめ食い、早食い、ながら食い、もったいない食い、やけ食い、気晴らし食い、つまみ食い、などの「ムダ食い」にご注意!!
食事回数が減ると、からだの自衛策として体内での利用吸収効率が高まり、肝臓や脂肪組織の脂肪合成活性が著しく高くなってしまうため、太りやすくなります。
「まとめ食い」はやめて食事は3回に分けましょう。
満腹中枢が刺激され満腹感が生じるまでには、食事を始めて20分程かかるため、「早食い」は満腹感を感じるまでに食べ過ぎてしまうことになります。
テレビを見ながらの「ながら食い」や、残したらもったいないからと食べる「もったいない食い」、失敗をしてしまったから、嫌な事があったからのはけ口の「やけ食い」や「気晴らし食い」にも気をつけましょう。もちろんダイエットのためにと、ヘルシーなお料理を作っている途中の「つまみ食い」というのも本末転倒。
すべて日頃の努力をムダにする「ムダ食い」につながりますので、注意しましょう。 - 4. 空腹時の食品購入はご法度!
あれもこれもと目移りするのは空腹時。
リストをつくって満腹時に決められたものだけを買い物するのが得策です。
お菓子やインスタント食品の買い置きも、できるだけやめましょう。 - 5. 外食はバランス良く
食事はなんといっても手作りがいちばん。外食はせめて一日1食にしてください。
メニューも単品もの(丼、麺類など)ではなく、セットメニューのもので野菜をたっぷり使った料理を選ぶようにします。
まずは食習慣の見直しから
太る理由は単純に言えば、摂取エネルギー(カロリー)が消費エネルギー(カロリー)を上回るため。量を食べればその分太るのは当然ですが、食べ方や頻度、時間などの「食習慣」にこそ、太りやすくなるかどうかの分かれ目があります。なにより食習慣の見直しが大切です。
一日3回欠食をせず1回に食べる量をきちんと決め、それ以上は食べない。特に、だらだらと一日中食べることも、太りやすい体質を加速させてしまうので避けるようにしましょう。
反対に、痩せたいからといって食事の量を極端に減らすと、老化が進むだけでなく健康を損なうことにも。また、人はエネルギー(カロリー)ではなく重量を感知して食べているようだと言われています。重量が同じであれば、食物繊維が豊富に含まれる食材は(穀類、野菜、海藻、きのこ、こんにゃくなど)、ローエネルギーの食品でありながら食事をボリュームアップできます。上手に献立に取り入れれば、無理のないダイエット及び生活習慣病の予防改善に役立ち、満足感も得られます。
食習慣を上手にコントロールすることこそが、太りやすい体質を克服する鍵となります。