「♪きみのみるせかいは、なにいろなのかな。ふたりのことばでおしえてよ」。
【写真特集】「ムーニー」CM曲:ママの間で人気 制作したのは独身電通マン
9月から放送されている「ユニ・チャーム」のブランドCMと11月から放送の赤ちゃん用おしめ「ムーニー」のCM曲「ほしのかずだけ」が、新しい“ママソング”として口コミで人気が広がり、注目を集めている。
歌っているのは歌手のマユミーヌさん。女優の宮崎あおいさんが出演した保険会社「アメリカンファミリー生命保険(アフラック)」のCMで「♪アヒルンルン」と「アヒルのワルツ」を歌っているあの歌声の人だ。「ムーニー」のCMは、柔らかな歌声と、愛くるしい赤ちゃんの笑顔の映像に心を動かされた視聴者から「我が子を抱っこしながら泣きました」「聴くと癒される」と共感の声が多く寄せられた。
赤ちゃんが生まれた喜びを神様に感謝し、子供のために強くならなくてはと誓うこの曲は、大手広告代理店「電通」に勤めるコピーライターの梅田悟司さん(29)が制作した。梅田さんは07年秋に「ムーニーのブランドを一新したい」と依頼され、製品の広告宣伝を担当。約10年間に渡ってCMで流れた「♪履かせるおむつ ムーニーマン」の音楽イメージをどうやって変えるかに頭を悩ませた。
梅田さんは「クライアントの思い、ユーザー側の気持ち。両方を理解して曲を作れるのは自分しかいない」と高校時代にバンド活動をしていたこともあり、楽曲制作を決意。「でも僕は結婚もしていないし、子供もいない。お母さんがどんな思いで育児をしているのか。疑問を解決するには子供と暮らすしかないと、友だち夫婦にお願いして、(生後)6カ月の赤ちゃんとの共同生活が始まりました」と振り返る。
1週間の居候生活で「お母さんも自信がないんだな」と感じたという。「赤ちゃんとの生活は生死がからむ。いつも子供の寝顔を見てゆったりと出来るものではない。お母さんたちが聴いたときにホッとできるようなものを作ろうと心がけました」と話す。
完成した楽曲を聴いた友だち夫婦は「優しい気持ちになれた」と目の前で号泣した。梅田さんはその姿を見て「自分もこういう親になりたい」と思ったという。「でもいまは彼女がいないので、1人でも多くのお母さんに聴いて欲しい。そして新しくママになった人たちが継続的に聴いて、曲を育ててくれたら」と願っている。【西村綾乃】
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