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信州・取材前線:新型インフルエンザ対策 マスクや手洗い不可欠 /長野

 県立高校が休校になるなどインフルエンザの流行が懸念される時期になった。特に心配されるのが新型インフルエンザ。見えない脅威にどう対応すれば良いのか。県の対応策や市民ができる感染防止策をまとめた。【神崎修一】

 ◆各地で研修会

 「怖いのは我々が免疫を持っていないこと。流行はとても速く、患者は重症に陥る。いつ発生するかも分からない」

 県木曽合同庁舎で4日夜開かれた感染症防止研修会。地元の福祉施設職員ら約100人を前に、木曽保健所の町田幸一さんが感染防止策、流行時の対応、病院の受け入れ態勢などを説明した。なじみが薄い用語が飛び交ったが、参加者は真剣な表情で資料を繰った。

 参加した女性は「詳しいことが分からず心配」と語る。県は11月末までに同様の研修会を67回開催し、計4500人が参加した。

 ◆県は行動計画改訂

 県は取り組むべき対策などをまとめた「新型インフルエンザ対策行動計画」を5月に2年半ぶりに改訂した。流行時の県内患者数を最大で43万8500人、うち3200人が死亡と想定。発生前期から大流行期まで段階を五つに分け、予防策や医療機関の体制などを具体的に示した。

 例えば、海外発生期(第2段階)には、保健所に発熱電話相談の開設、県に対策本部の設置。国内発生期(同3)では、県民に外出自粛を求め、指定医療機関には「発熱外来」を設ける--など。

 県は10月に初の対応訓練も実施。各部署が実際に何をするのかを示す「行動マニュアル」の作成も急ぐ。補正予算には医療器材の整備費予算8200万円を計上した。

 しかし対策は万全ではない。従来ある抗ウイルス薬タミフルの備蓄を進めるが、現時点では約18万人分。渡辺庸子衛生部長は県議会で「国も足りないと考えており、(県も)将来的に増やしたいと考える」と説明した。

 ◆市民の備えは?

 実際どう備えれば良いのだろうか。「通常のインフルエンザと同様の対策を徹底してもらうしかない」と県健康づくり支援課の斎藤政一郎係長は言う。

 まず、ウイルスを吸い込まないために「マスクの着用」が必須。ドアノブや手すりを介してウイルスに触れないよう「こまめの手洗い・うがい」も不可欠。「不要な外出を控える」ことも忘れてはいけない。

 「感染したかも」と思って医療機関を受診すると、待合室などで感染を拡大してしまう可能性がある。まずは保健所の相談窓口へ電話し、指示を仰ぐことが大切だ。ピーク時に外出しなくても済むように2週間程度の食料備蓄も推進している。

 大流行時には慌てないことも大切。斎藤係長は「事前準備があれば混乱も防げる。今から備えて」と呼び掛けている。

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 ■ことば

 ◇新型インフルエンザ

 ヒトに免疫がないインフルエンザのこと。高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)ウイルスが人への感染力を持つ型に変異、発生する恐れがある。国内では最大64万人が死亡するといわれる。

毎日新聞 2008年12月21日 地方版

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