イノセント・ラヴ
Trailer
Story
Topics
Staff&Cast
Interview
Chart
Message
Special
Interview インタビュー
瀬川昴役 成宮寛貴さん
今回、瀬川昴という役を演じるにあたって、考えたことや気をつけている点はどういう部分でしょうか?
いままで演じてきた役…特に最近、僕が演じていたキャラクターは、比較的ポップさやダイナミックさが必要とされるものが多かったのですが、今回の『イノセント・ラヴ』は、繊細で、ちょっとトーンが暗いというか、みんなが違う方向を向いていて切ないストーリーをやるにあたっては、いままでの方法論ではなく、もっと削ぎ落としたキメの細かい芝居を要求されています。でも、自分自身が、私生活を含めて瀬川昴という役を演じるには多分派手過ぎると思うんです。瀬川昴というのは、不器用で、いろいろなことを我慢している男なので、普段の自分に基づくナチュラルな芝居より、もっとトーンダウンしたものを心がけています。なので、ビジュアル的にもちゃんと作ってから入るようにしました。
そのビジュアル面の方向性とは、具体的にどういうものなのでしょうか?
前の作品が不良モノだったので眉毛が細かったんですけど、それを生やしてあまり手入れしていない感じにしました(笑)。もちろん衣装も、地味というか…プレッピーとかではなく、モード過ぎる感じでもなく、柔らかい素材で、あまり主張してこないようなスタイルの服を着ています。体も少ししぼりました。そういう風にビジュアル面を作ってから入ったんですけど、昴という役は、普段の自分のテンションを抑えないとそれが出ちゃうんです。最初は、現場に入ってスイッチを切り替える、という感覚で芝居をやっていたんですけど、あまり上手くいかなくて自分でもイライラしちゃったりして…。それは、普段の自分のテンションというか、基準値みたいなものが高いからなんだと思います。だから最近は、普段からそれを下げるということを意識するようにして、随分、昴に入りこみやすい感覚を作れるようになったような気がします。
普段の生活から意識的にトーンダウンさせないと難しい面もあった、ということですね。
そうですね。自分の笑った顔とか、元気過ぎるんですよ。プロデューサーから「そういうのは出さないでほしい」って言われたくらい。ビジュアル的にも精神的にも抑えていく、というのは自分にとって凄く難しくなっていたのかもしれません。どんな役者にもクセみたいなものはあると思うんです。でも今回はそれが邪魔になり、自分が作りきれていない分、ナチュラルに見せようとして普段の自分が補ってしまうんです。そういうことをしない、っていうのは、勇気がいることでもあり…。そこは日々戦いながらやっているような感じです。キャラクターの気持ちだけを信じて芝居をする、というのは、最近、やれているようでやり切れていなかったのかな、とちょっと反省したりもしていますね。
ここで、共演の方々の印象をお聞かせください。まず、主人公の秋山佳音役を演じている堀北真希さんから…。
真希ちゃんはとてもチャーミングな人ですね。最初はなかなか目線を合わせてくれないようなところもあって、「ああ、シャイな人なんだな」って思いましたけど(笑)、最近は随分打ち解けてくれるようになりました。ただ、夜まで一緒に撮影をしているといろいろ話すこともできて仲良くなれたような感じがするんですけど、次の朝になるとそれがリセットされていて、また「……あ、おはようございます…」みたいな感じになってしまってたりして(笑)。自分もわりとそういうタイプなので、似ているな、と思いました。
香椎由宇さんは、「『笑っていいとも!2008秋の祭典SP』がきっかけでキャスト陣の距離が縮まった」とおっしゃっていました。
そうですね。それはあったと思います。香椎さんとも、そのときまではあまりしゃべっていなかったんですよね。香椎さんって、凄くギャップがある方だと思います。香椎さんも人見知りするタイプなんだけど、1回仲良くなると、その人のいじり方みたいなものをすぐキャッチするというか…。だから、香椎さんといると楽しいですよ。最初は「ちょっと苦手なタイプかも…」って思ってたんですけど(笑)、全然違っていました。あっけらかんとしつつ、周りに気を遣えるステキな女性ですね。
昴の親友ということで共演シーンも多い、殉也役の北川悠仁さんに関してはいかがでしょうか?
悠仁さんは…最初に、“仲良くなろう会”を開いて、ふたりで食事に行ったんですね。で、悠仁さんは僕に対して凄く興味を持ってくださっていろいろと聞いてくれるんですけど、僕がそれに答えるとすぐ次の質問をしてくるので、僕は悠仁さんのことを一切知ることができないままに先に進んでいっちゃうような感じでした(笑)。聞き上手なんですよ、悠仁さんって。ズルい人だな、と(笑)。
そのとき、どんなことを聞かれたんですか?
普通に、「仕事を始めてどのくらい?」みたいなプロフィール的なことから、プライベートなお話…「いま、どうなってんの?」みたいなことまで(笑)。好奇心が強くて、何でも受け入れるようなタイプの人ですね、悠仁さんは。隙がない笑顔なんですよ。だから、このドラマの撮影が終わるまでには、悠仁さんの本当の笑顔を見てやろうと思っています(笑)。
あの笑顔の裏に…。
そう。笑顔の裏にある何かを、暴いてやろうと思っています(笑)。
お芝居に関してはいかがですか? 役者さん同士のお芝居とは、何か違う空気のようなものは感じますか?
経験も違うし、アプローチの仕方も違うんですけど、現場で感じることは多分一緒なんですよね。だから、そんなに違う感覚はないです。僕自身も、役者の友だちより、アーティストの友だちの方が多いんですけど、そういう友だちと一緒で、悠仁さんもセンシティヴかつ自分に対して厳しい方だと思います。笑ってるけど、いろんなことに対して「あり」「なし」っていうのを自分の中でキッチリとつけているんじゃないかと思いますね。そういう意味では、いい意味でちょっと緊張します。
アプローチは違っても、モノ作りに携わる者同士、通じるものはあるということでしょうか。
そうだと思います。逆に、これだけ近くで仕事をさせてもらっているので、いただいたライブのDVDを見たりすると、ちょっと寂しい気持ちになったりしますからね。「ああ、そうだよな、悠仁さんは『ゆず』なんよな」って(笑)。ただ、『ゆず』のときの悠仁さんと、この現場での悠仁さんは、どこか違うような気もしています。同じなんだけど、どこか違う…役者の世界に歩み寄ってくれている感じはありますね。普段だったら、役者が集まって「じゃあ、始めます」って感じになってしまうけど、今回は役者の世界に歩み寄ってくれている悠仁さんの姿を通して、自分の芝居に無駄なところがないかどうか、チェックする時間をもらえているので。それは、きっとお互いにとって意味があることだと思っています。
おふたりが演じる殉也と昴の関係も含めて、この先、物語はさらに大きく動き出します。最後に、今後の見どころを含めて、視聴者皆さんにメッセージをお願いします。
昴は、相手に自分の思いを上手く伝えられずに隠していて…。ある意味、閉ざしている、という感じでしょうか。でも、限界があると思うんですね。自分を見ないフリをしている、自分の気持ちを抑え付けているということにも、いつか限界がやってきて、そこで諦めるのか、次へ進もうとするのか…。昴に限らず、登場人物それぞれが何をしたいのか、っていうことは、普通に見ているだけだとちょっと分かりづらいのかもしれないですけど、それが多分、今回の登場人物たちの二面性というものだと思うんです。全体を見て「本当はこういう気持ちでやっていたのか…」というのを感じてもらえる作品だと思うので。昴に関しても、例えば、殉也に対して冷たいことを言っていても、それは本当に殉也の幸せを思って言っていたり、時には、別な感情から意地悪なことを言っていたり…。それは、美月だってそうだと思うんです。人間って、自分の好きなところと嫌いなところがあるものじゃないですか。でも、人のことを好きになると、どうしてもその嫌いな部分とか苦手な部分が見えてきたりもするんですよね。それが人間らしさでもあるし、恋をしたときの難しさ、切なさでもあると思うんです。人と人がわかり合う、というのは凄く難しいことなので…。そういう部分に共感しつつ見てもらえたら嬉しいです。
Copyright(C) Fuji Television Network,Inc. All rights reserved.