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2008/12/21

心穏やか

さてさて明日はM-1グランプリ決勝。一年ぶりに帰ってきた舞台。今年一年間はこの日の為にやってきたし、この日の為に始めたKING KONG LIVEに来てくれた本当にたくさんのお客さんの期待を背負っている。だけど気負っている感じはなく、心はとても穏やか。これは去年とは圧倒的に違うところ。

M-1グランプリは「その日の出来」がもちろん評価されるわけだが、結局「その日に出来る奴というのは、その日までにやってきた奴」という整理が自分の中でできて、「その一日の頑張りでどうにかなる事ではない」と思うようになった。アドリブで4分間を喋るわけでもないし、「頑張り様がない」というのが正直なところで、自分に「頑張れ」という言葉をかけるとしたら「M-1に照準を合わせて、この一年をどう過ごすか?」という今から何か月も前の段階ではないかな、と。でもまぁ、適当な言葉が見つからないから人には「頑張ります」とは言ってるんだけど。

かといって決して冷めているワケではない。勝ったらメチャクチャ嬉しいし、負けたらメチャクチャ悔しい。だけど今年は「なるようにしかならない」という境地にいる。M-1グランプリとはいえ、どこまでいっても「お笑いだ」という事を忘れずに表現できれば明日はいい結果が出ると思う。まぁ、それが本当は一番難しい事なのだけれど。あの場で「お笑い」をする事が。

この一年間やってきて改めて思ったけれど、やっぱりボクは漫才が好きだ。そして一昨年の自分より堂々と「漫才師です」と言える今の自分に誇りを持っている。それはM-1グランプリのおかげ。そこに参加しなかった一昨年は大きな声では言えなかったもん。だからM-1グランプリには本当に感謝している。明日ボクは大きな大きな漫才の渦のド真ん中に立つ。それは本当に幸せな事だし、同時にとても責任のある事だ。涙していった漫才師達が納得して、そして誇れるような漫才を全国に届けなきゃ。それがファイナリストの責任。

「漫才が好きで良かった」と今、心から思います。

それじゃあ行ってきます。