スラッシュドット    はてなブックマーク  Yahoo!ブックマークに登録  印刷
Windows TIPS
[System Environment]
  Windows TIPS TOPへ
Windows TIPS全リストへ
内容別分類一覧へ

ディスク・ボリュームをほかのボリュームのフォルダに割り当てる方法(NTFSのリパース・ポイント機能を利用する)

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ
2000/02/05
2003/01/21更新
 
対象OS
Windows 2000 Professional
Windows XP Professional
Windows XP Home Edition
Windows 2000 Server
Windows 2000 Advanced Server
MS-DOS時代に使われていたドライブ文字はいまも健在である。
しかしドライブ構成によって割り当てられるドライブ文字が変化して既存ファイルのパスが変化してしまうなど、不都合も多い。
このようなときには、Windows 2000/XPのNTFSで新たに追加されたボリュームのリパース・ポイント機能を使えば、ほかのボリュームを、NTFSボリューム中の任意のサブ・フォルダとして割り当てることが可能である。これはUNIXのシンボリック・リンクの機能と、ボリュームのマウント機能を1つにまとめたようなものである。
 

解説

 コマンドライン・インターフェイスMS-DOSでは、ハードディスクなどのブロック型デバイスを簡単に特定するために、各ドライブにドライブ文字という1文字のアルファベットを割り当てるようになっていた。FATにせよNTFSにせよ、このドライブ文字は、グラフィカル・インターフェイスが主流になった現在でも生きている。

 ドライブ文字を使ったシステムの欠点は、基本的にこれらがシステムの起動時に自動的に割り当てられるようになっており、ドライブ構成が変化すると(ハードディスクを追加した場合など)、ドライブ文字が変わってしまう可能性があることだ。アプリケーションの中には、レジストリや独自の情報ファイル中にドライブ文字を含むファイル名やフォルダ名を記録しているものがあり、ドライブ文字が変化すると、正しく起動できなくなったり、設定が無効になったりするものがある。

 これに対しWindows 2000/XPでは、コントロール・パネルの[管理ツール]−[コンピュータの管理]アイテムを利用して、各物理ドライブに割り当てるドライブ文字をマニュアルで指定することが可能である(詳細は別稿の「Windows TIPS:ドライブ文字をマニュアルで指定する方法」を参照)。しかし、Windows 2000/XPに搭載されるNTFSボリュームなら、リパース・ポイント(reparse point)と呼ばれる機能を利用して、ほかのドライブをNTFSボリューム中の任意のサブ・フォルダに割り当てることが可能である(この機能は、Windows 2000に搭載されたNTFS 5から利用可能になった)。UNIXでいえば、これはシンボリック・リンクと、ボリュームのマウント機能を1つにしたようなものだ。

 例えば、D:\testfolder\sample01.txtというファイルを含むドライブ(D:ドライブ)を、C:\D_DriveというC:ドライブのフォルダにリパース・ポイントを使って割り当てれば(マウントすれば)、以後はC:\D_Drive\testfolder\sample01.txtというように、C:ドライブのフォルダとしてD:ドライブのファイルやフォルダにアクセスできるようになる。

 このリパース・ポイントの機能は、NTFSの拡張属性を使って実現されている。この部分にリパース先の情報を記録しておき、ファイルやフォルダがアクセスされたときに、この情報を読み出し、アクセスをリパース先のファイルやフォルダにすり替えている(このような処理を行うものは、ファイル・システム・フィルタと呼ばれる)。

 NTFSの機能を使っていることから、マウント元のボリューム(上の例ならC:ドライブ)は、必ずNTFSボリュームでなければならない(FATボリュームにマウントすることはできない)。ただし、ボリューム・タイプはベーシック・ボリュームでもダイナミック・ボリュームでもマウント可能である。マウントされる側のボリューム(マウント先のボリューム。上の例ならD:ドライブ)は、NTFSでもFATでも構わない。

 マウント元のサブ・フォルダは、既存フォルダを使用してもよいし、マウント指定時に新たに作成してもよい。ただし既存フォルダを使用するときには、フォルダ内にファイルやフォルダを含んでいてはいけない(空でなければならない)。

 なお、1つのフォルダに対し、複数の別ボリュームをマウントすることはできない。しかし、マウント先のボリュームは、複数のフォルダでマウントされていても構わない。例えば上の例なら、D:ボリュームをさらに別のフォルダ(例えばC\Testなど)にマウントすることが可能である。

 セキュリティ上の理由から、ネットワーク・ドライブをマウント先として、そのサブ・フォルダにマウントすることはできない。これを行いたければ、DFS(Distributed File System)を使用する必要がある。


操作方法

リパース・ポイントの設定方法

 あるボリュームを別ボリュームのサブ・フォルダにマウントするには、コントロール・パネルの[管理ツール]フォルダにある[コンピュータの管理]アイテムを起動する(または、デスクトップや[スタート]メニューにある[マイ コンピュータ]アイコンを右クリックするとポップアップ表示されるメニューの[管理]からも起動可能)。そして[コンピュータの管理]ダイアログが表示されたら、左側のツリーから[記憶域]グループの[ディスクの管理]を選択する。すると右側のペインにシステムに接続されたドライブが一覧表示される。

 このドライブ一覧から、マウント先に指定したいボリュームを選択し、マウスの右ボタンから表示されるショートカット・メニューの[ドライブ文字とパスの変更]を実行する(または[操作]−[すべてのタスク]−[ドライブ文字とパスの変更]メニューを実行する)。

[コンピュータの管理]ダイアログで、ツリーから[記憶域]−[ディスクの管理]を選択し、マウント先のボリュームを選択してマウスの右ボタンをクリックしたところ
[コンピュータの管理]アイテムは、各種のコンピュータの管理用ツールをMMC形式で操作可能にしたツールである。まず最初はボリューム一覧からマウント先として指定したいボリュームを選択し、右ボタンから表示されるショートカット・メニューの[ドライブ文字とパスの変更]を実行する。
  選択したボリュームをマウント先に指定するには、このメニュー項目を実行する。→

 すると次のダイアログが表示されるので、ここで[追加]ボタンをクリックする。

[ドライブ文字とパスの変更]ダイアログ
ここでは、選択したボリュームにアクセスするためのドライブ文字やパスが一覧される。ダイアログの構成から、1つのボリュームに複数のパスを設定できることが分かる。
  このボリュームにアクセスするためのドライブ文字/パス。このボリュームに対して複数のパスが指定されている場合には、ここにそれらが一覧表示される。
  新しいパスを追加するときにはこのボタンをクリックする。→

 次に表示される[ドライブ文字またはパスの追加]ダイアログでは、このボリュームをマウントするNTFSボリューム中のサブ・フォルダを指定する。指定はエディット・コントロール内で直接パスを入力してもよいし、[参照]ボタンから既存のフォルダを選択してもよい。今回の例では[参照]ボタンを押してみることにする。

[ドライブ文字またはパスの追加]ダイアログ
ここでは、マウント元のフォルダを指定する。パスを直接指定するときにはエディット・コントロールにパスを入力する。既存フォルダを一覧表示させて選択したり、新規フォルダを作成してそれをマウント元に指定したりするときには、[参照]ボタンをクリックする。
  パスを直接指定するときには、ここにパスを入力する。
  既存フォルダを一覧表示して選択したり、新しいフォルダを作成してそれをマウント元フォルダとして指定したりするときにはこのボタンをクリックする。→

 上のダイアログで[参照]ボタンをクリックすると、次の[ドライブ パスの参照]ダイアログが表示される。このダイアログでは、既存フォルダが一覧表示されるので、ここから任意のフォルダを選択する。ただし、ファイルやフォルダを内部に含む既存フォルダは指定できない(必ず空きフォルダを指定する必要がある)。また必要なら、[新しいフォルダ]ボタンをクリックして、ここで新規フォルダを作成することも可能である。[新しいフォルダ]ボタンをクリックすると、ツリー上に「新しいフォルダ」という名称のフォルダが作成され、フォルダ名が入力可能な状態になる(エクスプローラなどで新規フォルダを作成する場合の挙動と同じ)。そこで任意のフォルダ名をキーボードから入力する。フォルダの選択を終えたら、[OK]ボタンをクリックする。

[ドライブ パスの参照]ダイアログ
このダイアログでは、既存のフォルダが一覧表示されるので、ここからマウント元にしたいフォルダをマウスで選択する。新しいフォルダを作成し、それをマウント元フォルダにしたければ、[新しいフォルダ]ボタンをクリックする。
  新しいフォルダを作成したければ、このボタンをクリックする。
  [新しいフォルダ]ボタンをクリックすると、「新しいフォルダ」という名称で新規フォルダが作成され、名前が選択状態になる。そこで任意のフォルダ名を指定する。
  マウント元となるフォルダを選択したら、このボタンをクリックする。

 以上で設定は完了である。エクスプローラを起動し、C:\D_Driveフォルダを表示すると、ここにD:ドライブがマウントされていることが分かる。End of Article

エクスプローラでマウント元フォルダを表示したところ
設定完了後、エクスプローラを起動してマウント元フォルダ(今回の例ではC:\D_Drive)を表示させると、その先にマウント先ドライブ(今回の例ではD:ドライブ)のルート・ディレクトリの内容が表示されていることが分かる。
  マウントされたフォルダ。C:\D_Driveフォルダの中身を見ると、今回マウントしたD:ドライブの内容が表示されている。
 
関連記事(Windows Server Insider)
  Windows TIPS:ドライブ文字をマニュアルで指定する方法
     
この記事と関連性の高い別のWindows TIPS
ジャンクション機能を使ってディスク・ボリュームをマウントする
ドライブ文字をマニュアルで指定する方法
ジャンクション機能を使ってフォルダをマウントする
FAT→NTFSにファイル・システムを変換する
ページ・ファイルを別ドライブに一時待避し、デフラグを効率よく行う方法
このリストは、(株)デジタルアドバンテージが開発した
自動関連記事探索システム Jigsaw(ジグソー) により自動抽出したものです。
generated by

更新履歴
【2003/01/21】Windows XPに関する情報を加筆・修正しました。
 
「Windows TIPS」
Windows Server Insider フォーラム 新着記事

@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

RSSフィード

アイティメディアの提供サービス

ホワイトペーパー(TechTargetジャパン/閲覧には会員登録が必要です)

スキルアップ/キャリアアップ(JOB@IT)

- PR -

お勧め求人情報

キャリアアップ 〜JOB@IT
@IT Special -PR-
  New! 「高可用性」のレベルは千差万別!?
“最適な”高可用性システムを導入

  New! “社会人大学院って、実際どうなの?”
現役学生が本音で語る「社会人大学の魅力」

  New! “スーパーユーザーの反乱”に備えて、
技術者はどのような対策を施せるか?

  New! 小型センサーで不正なPCを“検知&遮断”
容易な導入・運用を実現する3つの特徴は

  「仮想化環境」を1カ月単位でレンタル!?
初期コストを大幅に下げるサービスとは?

  半分以上が使われていない? 利用効率を
高める“ストレージ仮想化”のメリットは

  「セキュリティソフト=重い」は昔の話?
@IT編集部の3人が実際に体験してみた

  ファルコンストア会長兼CEOに訊く――
事業継続を考える企業にとって必要なこと

  一通り眺めて「同意する」をクリック、に
潜むワナ……知れば“得”する対処法は?

  「物理サーバと同じ手法でいいの?」
“仮想化”に適したバックアップとは?

  変化するセキュリティリスクに対応した
情報漏えい対策の方法とは?

  凄腕プロジェクトマネージャがチェックする
リスクマネジメントで重要な5つのポイント

  米・国防総省(ペンタゴン)も採用!
最上級のセキュリティをカンタン導入する

  次期OSへの鍵!Windows Vistaのご提案
今Vista導入を検討すべき3つの理由とは!

  「スーパープログラマ」になるための資質
〜エンジニア・キャリア進化論(第13回)〜

  「“監視ツール”だけで安心ですか?」
高可用性を追求した“クラスタ構築”とは

  コストをかけずに迅速復旧!!
事業継続性を高める為の“3つの要素”?

  ビジネスは、小さく生んで大きく育てたい
そんな願いを叶えてくれるサーバって?

  「週末だけリソースが増やせればなぁ…」
が実現するクラウドホスティング

  SaaS、クラウドコンピューティング時代
必要となるITインフラの要件とは!?

  導入事例を通してSDKの実績を検証しよう
これがワザあり開発ツールの“技”だ!!

  従来の職種が、SOAによって大きく変わる!
SOA時代、新たに生まれる“6つの職種”とは?


ソリューションFLASHPR