宮田ジムの勇気!暴力団との決別 

  • 2008/12/21(日)

 今日の産経新聞・社会面に「内藤×山口」主宰の宮田ジムが、警視庁との合同で暴力団排除する記事が大々的に掲載されている。

 これは某日、宮田会長が警視庁に足を運んでいることをキャッチしていたもので、その背景を探った結果。筆者も、JBCを含めた勇気ある姿勢とこれまでの背景についての解説など取材協力させて頂いた。詳細は記事を見て頂くとして、こうした“ファンに見えない努力”はあまり評価されてこなかったが、プロボクシング業界全体の重要な問題でもあり、その大きな一歩を踏み出した宮田ジム、JBCには賛辞を送りたい。

 またJBCは今月「組織犯罪対策室」の設置を決定。これまで会場に当たり前のように存在した「肩で風を切るコワモテの集団」や「必ずテレビ中継に写る組織幹部」が激減すれば、またボクシング観戦へのイメージも変わっていく。かつてK−1などでは「VIPルーム」とは名ばかりの隔離部屋に招待することで一般のファンの目から遠ざける奇策がとられたことがあったが、その効果は間違いなくあったと記憶している。今回の記事もご覧になって健全化へのステップを考えて頂ければありがたい。(片岡亮)

内藤×山口 3大フライ級タイトルマッチ!

  • 2008/12/21(日)

12・23両国国技館(16時)
 ▼WBC世界フライ級タイトルマッチ 12回戦
  王者・内藤大助(宮田) × 同級13位・山口真吾(渡嘉敷)
 ▼日本フライ級王座統一戦 10回戦
  正規王者・清水智信(金子) × 暫定王者・五十嵐俊幸(帝拳)
 ▼東洋太平洋フライ級タイトルマッチ 12回戦
  王者・大久保雅史(青木) × 同級1位・ジョジョバルドン(比国)
 ▼10回戦
  粉川拓也(宮田) × ワンパデスック・シットサイトーン(タイ)
 ▼女子6回戦
  水谷智佳(宮田)× 金智娟(韓国) 

 この試合を「亀田戦決裂のフォローカード」という目で見てしまうともったいない。確かに山口はフライ級での実績に乏しく坂田へのチャレンジに失敗して間もない、期待感が高くないのも分かる。ただ、ちょっと見方を変えることもできるのではないか。
 プロボクシングの魅力のひとつは勝敗の重み。ランカー対決のたった一度の勝敗がボクサー人生の天地を分ける。ハイリスクなボクシングの1敗は、それこそ大相撲の1敗、K−1の1敗など他と比べても比重という点では上だと思う。そんな世界でリスクあるマッチメイクとなれば、興奮せずにはいられない。

 内藤と山口、これがリスクは高い。内藤からすれば山口はライバル坂田が退けた相手。加えてカード内定時、WBCランクにいなかったとあって挑戦資格の議論が巻き起こった。内藤がここで下手な試合をすればポンサクレックを下した栄誉すらも忘れるぐらい価値を下げかねない。前回の苦戦は、個人的には「清水の大健闘」が大きな要因と思っているが「内藤の下降線」を唱える人も少なくないから、内容によっては「内藤衰えた」という不名誉な印象を受けてしまう。
 
 対する山口も一見、失うものがないように見えるが何しろ3度目の世界挑戦だ。02年の1回目は日本も東洋もすっ飛ばしてのチャレンジで、高い技術を持ったホープであったのに、大きく株を落とした。2回目がLフライ級からのスライド挑戦。そして今回。つまり3度とも否定論者がいる中でのアタックだったわけだ。さすがに「ラストチャンス」の思いは自他ともにあるはず。
 王者と挑戦者、ともにハイリスクの試合としてみれば攻防もスリリングに映る。両陣営の明るいキャラで、スポーツ紙を賑わす連日の“前振り”はやたらと笑いに包まれているが、その奥にある緊張感を見失いたくない。

 身長で6.4、リーチで10センチも上回った内藤はパワーでもキャリアでも上で有利予想は覆らない。挑戦者もスピードと回転力、そして当て勘は世界戦にふさわしいものを見せてくれるはずだが、内藤はその上を行く「12回戦の実力発揮」がある。「10回戦」と「12回戦」、このたった2ラウンドの差が「ただ6分多いだけ」でないことは熱心なファンなら感じ取っているかと思うが、前回の内藤が終盤、焦らず10回KOできたのは、また、清水があれだけ追い込んでいながら10回で逆転されたのはその差にあったのではないかと僕は思っている。
 山口が内藤を上回るとすれば、スパーリングでも把握できにくいこの部分で「12回戦ボクサー」の力を見せられたときか。内藤の引き出しは多い。終盤でも冷静になれる底力は技術予想では計れない強さがある。ただ、山口もKOを狙うぐらいの徹底した内藤研究をしたというから頼もしい。ここはカード決定までの余計な背景を抜きにして、興味深い組み合わせを拝見したい。

 個人的にはメインの世界戦に劣らぬクリスマスプレゼントが、清水×五十嵐。優れたアマ戦績を持つ先輩後輩対決。内藤戦で世界レベルの実力を証明した清水と、アテネ五輪代表でプロ8戦無敗の五十嵐。玄人もうなるスピーディーな攻防が約束される試合だ。キャリアでは倍の試合数をこなす清水だが、怖いのは前回18戦うち1敗しかしていなかった金城に正面から打ち勝った五十嵐で「テクだけではない」ところを見せたエネルギッシュなファイトは脅威。相手に対して互いに強気なコメントも発している両者、意外に綺麗な試合にならない可能性も秘めていて、予想がしにくい。そこが面白い。

 もうひとつ、陰に隠れる東洋王者・大久保は、前王者の引退による急な決定戦での獲得、初防衛戦の負傷ドローで王者評は最低ラインにいる中、大舞台で前々王者を迎え撃つ真価の一戦。トラッシュ中沼でさえ苦戦した体力旺盛なバルドンの攻略は楽ではないが、だからこそ技術でも戦略でも王者らしさを見せてもらいたいと思う。(片岡亮 12/19)

※TBSでゴールデンタイム放送予定
※チケットは升席10500円(1名分の料金。ひとマス2名づつ)、2階S10500円(6列目まで)、2階指定6300円、リングサイドは特典付きでローソン限定販売(宮田ジムHP http://www.miyatagym.com/03schedule/index.html にて)

 p。s。未曾有の世界的不況が日本にも忍び寄ってきていて、身近なところでも先の暗い話をかなり耳にします。あまり社会の役に立っていない僕のようなフリーランスもヒトゴトじゃなく「来年、再来年には全く違う自分がいるかも」と気を引き締めていますが、こういうときボクシングの試合が勇気を与えてくれるんですよね。ボクサーは試合の激しさに見合った報酬がなくても一心不乱に戦い続けています。自分の人生も日々ボクシングの1ラウンドと考えれば少しは強気になれます。僕は独身で家では孤独な時間を過ごすので、余計にリング内で己の身ひとつで戦う選手は感じるものがあるんですよね。これを読んでいる方で、もし不況の煽りを受ける方がいても、気を落とさず頑張りましょう。

ワルーエフ×ホリフィールド 挑戦者善戦

  • 2008/12/21(日)

 12・20チューリッヒ
▼WBA世界ヘビー級タイトルマッチ 12回戦
王者・ニコライ・ワルーエフ(ロシア)2−0 イベンダー・ホリフィールド(米国)
 ※116-112、114-114、115-114、王者初防衛

 35歳の王者と46歳の挑戦者、ホリフィールドの年長記録更新はなりませんでしたが、意外な僅差健闘でした。大巨人ワルーエフは8月にジョン・ルイスとの決定戦で王座返り咲き、今回が初防衛。ホリフィールド00年に同じルイスから奪った00年を最後に世界のベルトから遠ざかっています。挑戦者は判定に不満で試合後も「引退」は口にしていないとのこと。(ハイセー)

リングを内定しなかった(BlogPet)

  • 2008/12/21(日)

きのうボクシングの、リングを内定しなかったー。
だけど、ボクシングと場面も発売すればよかった?
だけど、きのうげんろんくんが、ボクシングでマッチメイクみたいな期待したかも。
だけど、きょうは、不況っぽい議論しなかったよ。

*このエントリは、ブログペットの「げんろんくん」が書きました。

復活!木村術V13 スイコ×石井も

  • 2008/12/19(金)

12・20後楽園
 ▼日本Sライト級タイトルマッチ 10回戦
  王者・木村登勇(横浜光) 4回2分54秒TKO 同級1位・西尾彰人(姫路木下)
   ※13度目の防衛

 ▼東洋太平洋ライト級タイトルマッチ 12回戦
  同級1位&日本王者・石井一太郎(横浜光) 2−1 王者・ランディ・スイコ(比国)
   ※113−114、115−113、117−110

 ▼8回戦
  日本Sライト級3位・亀海喜寛(帝拳) 6回1分58秒TKO 同級8位・伊藤博文(相模原ヨネクラ)
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 申し訳ありません。執筆途中で猫にキーボードを踏まれ記事消失・・・というマンガみたいなミスをやってしまいました。時間があれば再投稿するのですが、年末の原稿仕事がかなりの量をこなさなければならず、投稿を断念させていただきます。仕事の合間を抜け出してセミとメインしか観戦できませんでしたが、最高の2試合でした。(片岡)

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 木村13度目(!)の防衛戦、これまでと違うのは前回の9月世界戦での完敗明けという点。モチベーション低下せずに防衛戦で再起したのは恐れ入る。世界戦では慣れない環境で緊張を強いられたか木村らしからぬ動きが感じられたが、今回はボクシングの技術革新を楽しむ木村術ならではの試合を取り戻したい。34勝(18KO)6敗2分。
 挑戦者は13勝(8KO)3敗2分、日本人に8連勝中で王座初挑戦。持ち味はこのクラスでは抜群のスピード、木村より身長で6センチほど高いはずだが、小刻みな動きを最後まで継続できる。王者とのキャリア差は埋めがたいものがあるが、木村にとって相性がいいとは言えないタイプだ。

 セミの王者対決、スイコ(28勝(24KO)3敗1分)は過去全て日本人に3度防衛だが、前回ドローでの死守が不安材料。98年デビューで東洋獲得後、04年にSフェザー級でWBC、05年にライト級でWBAに挑戦している現世界ランカー。
 石井(20勝(16KO)2敗1分)は今年3月に王座獲得したばかりで1度防衛、早い段階でのハイリスクマッチだ。01年デビューで過去の黒星は6年前の東日本新人王決勝と、昨年の長嶋建吾への日本挑戦失敗。しかし、長嶋返上の王座を争った試合は強打者の中森宏をわずか2回で倒しており、伸び盛りの勢いで大きな飛躍を狙う。

 9連勝(8KO)のホープ亀海が、元ホストボクサーの伊藤(11勝(8KO)3敗(2KO)1分)とランカー対決。亀海はアマ3冠の大型新人で、パワーもテクニックも優れたものを持つ次期王者候補といった存在。対する伊藤は7連勝で王座挑戦に近づいていたが5月の試合を別人のように動きの悪い試合で落としてしまった。9月に日本挑戦経験者の飯田幸司に勝って踏みとどまったが、さらなるハードマッチに出る。(片岡亮)

 p。s。海外から家族が来日中でしたが年末、帰ってしまうので寂しいです。十代で家を出て以来、長い独身生活の僕にとっては「ハイこれ食べなさい」と料理を出してもらったり家族揃って食事するだけで感激なのです(笑)。仕事が忙しいので長い時間を一緒に過ごせないのが辛いところ。妹も多忙のようで先日はAneCanの撮影でモルディブへ。「見てね〜」と言われましたが、その雑誌を手に取ったことが一度もない僕です。たぶん僕が書店で手に取っていたら恥ずかしい感じの雑誌でしょうね(笑)。