04/04/07  作成  07/07/18 加筆修正

西仙台ハイランド駅



シーズンオフの臨時駅   誰からも見向きされないこの時期に、訪れる人はまず居ない

        

すっかり暗くなったホームに、ポツンと駅名票が立っていた          小さな切符売り場が設けられた簡素な駅舎がある

  訪問日記  2004年3月4日 訪問

  この駅は仙山線に“八ツ森駅”と並んで2箇所存在している臨時駅の一つである。 駅前には交通量の多い国道48号線が通っており、人家は一見する限り見当たらないが、
 小さな町工場と共に国道沿いに歩いて行くと幾つか散見できる。 そしてここはその名の通り“仙台ハイランド”という、ゴルフ場・遊園地・サーキット場などを持つ総合レジャー
 施設が近くにあり、この駅もそこが建設費を負担して開設したという。 ただ、そのレジャー施設はここから西方向へ約3kmも離れているため、徒歩で利用することはおよそ
 現実的ではない。
 それでは鉄道でやって来た人は“仙台ハイランド”へは簡単に行けないではないか? という素朴な疑問が生じてくるが、駅には施設の電話番号が控えられており、そちらへ
 電話をすれば送迎バスがやって来るというサービスを行っているらしい。 ※1人〜少人数でも迎えに来るのかは不明だが・・・
 ただ、この駅は臨時駅のため、停車する電車は土休日だけの日中に走っている仙台〜作並間の区間列車しか停車しない。 更に冬季はそのレジャー施設が休業してしまうため、
 全ての列車が通過してしまうのであった。

 さて、今回の旅では東北地方の秘境駅調査をメインに行っているが、ここは以前にそこを列車で通過した際に、“要チェック駅”として心温めていた駅であり、私の住んでいる広島
 から遠路遥々とやって来て、ようやく訪問が叶った駅であった。 しかし、今回は季節が悪くて残念ながら駅はシーズンを外して休業中であった。 ただ、そのまま訪問を諦める
 のは、私の行動パターンからすると著しく逸脱する行為であるため、久しぶりに隣駅から徒歩で訪問する手段を取ることにした。 

 まずは東北本線を仙台で降りて仙山線の快速へ乗り換え、一旦この駅を通過して隣の作並駅で下車した。 そこからは約4km弱の行程だが、歩くに連れて周囲は夕暮れ時と
 なってしまい、地元で感じていた日没時間とのギャップに改めて驚いた次第である。 そのうち、ちらほらと雪が舞い出してきて急激に冷え込み、ニッカウィスキーの工場を左に
 見ながら、その歩みは更に加速して行った。 そして、ようやく辿り着いた時にはすっかり暗くなってしまい、撮影にはストロボが不可欠になってしまった。 ただ、私はあまり
 フラッシュ撮影というのもが好きではないため、その使用は駅名票だけに留めておいた。 そして三脚を担ぎながら無人のホームをウロウロと歩き回るその姿は、とても人に
 見せられるような格好ではない事を付け加えておく(笑)。

 こうして、無事? に駅訪問と撮影を済ませ、更にその先にある“熊ヶ根駅”へと歩き出した。 そこまでは約3km弱のため、ここへ来た時よりも楽であったが、スケジュールと
 列車時刻との兼ね合いで、先の作並駅から熊ヶ根駅までを全て徒歩となってしまったことで、その距離は約7kmに及んだ。 その途中、不審なクルマが警察に尋問を受けている
 現場を目の当たりにするのだが、登山ザックと三脚・カメラバックを持った私を彼等は一瞥しただけで、特に職務質問をしなかった。 一応、不審者では無いとのお墨付きを貰った?
 訳だが、そんな暇人にカマっているほど彼等も暇ではないのであろう。 やがて30分ほど歩いた末に熊ヶ根駅へ辿り着いた。 駅前にはセブンイレブンの光が眩しく光っており、
 空腹で半ばフラフラとしながら、店内へと吸い寄せられて行った・・・