居酒屋で刺し身を食べながら、マグロの漁獲規制の話になった。日本が上得意の欧州での規制が、また厳しくなったと報じられたばかりである やがて食べられなくなるのか、と水を向けると、店主は「そうでもないでしょう」。マグロ好きのために冷凍の在庫がかなりあるのに加え、養殖技術が進んできているという。そういえば、珠洲沖でも畜養事業が計画されている 海の幸に恵まれた北陸では、よその土地ほどマグロの人気はない。だから、北陸のマグロの多くは遠方に運ばれる、とも教わった。養殖が進めば、地元の美味がまた1つ増えることになる。ピンチはチャンス、を地で行くようなマグロ話である 物事には、暗があれば明もある。いしかわ動物園でのトキ分散飼育が決まったのも、鳥インフルエンザが引き金になった。人間への感染まで心配される深刻な問題だが、トキ「里帰り」という思わぬ副産物をもたらしてくれた。禍と福とが入り組んでいるのが、世の中なのだろう 暗いニュースが続くと、気がめいる。が、禍から福を取り出す知恵もある、とマグロやトキは教えてくれる。
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