訃報:コーチャン氏死去 元ロッキード社副会長

米公聴会で証言するコーチャン副会長=米上院多国籍企業小委で1976年2月6日撮影
米公聴会で証言するコーチャン副会長=米上院多国籍企業小委で1976年2月6日撮影

 1976年に発覚したロッキード事件で、故田中角栄元首相の起訴につながる航空機売り込み工作を証言した元ロッキード社副会長のアーチボルト・コーチャン氏が、14日に死去していたことが20日分かった。94歳。生前住んでいた米カリフォルニア州パロアルトの高齢者専用アパート関係者が明らかにした。

 76年2月の米上院公聴会で、ロッキード社の航空機を売り込むため各国の政府関係者に巨額の資金を渡していたと証言。ロッキード事件の「丸紅ルート」で、田中元首相が5億円の受託収賄罪で起訴されるきっかけとなった。

 日本の検察当局が事情聴取を求めたが、刑事訴追を恐れて拒否。検察が刑事免責を与え、東京地裁が米裁判所に依頼して行われた嘱託尋問で、全日空にトライスター機を売り込むための田中元首相への贈賄工作について詳述した。

 嘱託尋問調書の適法性は公判での争点の一つになったが、95年の最高裁判決は証拠能力を否定した。(共同)

毎日新聞 2008年12月21日 10時44分(最終更新 12月21日 11時23分)

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