アーティストのオノ・ヨーコさんが、アジア、アフリカに小中学校を建設するためのチャリティーコンサートを続けている。夫のジョン・レノンの命日にあたる今月8日も「ジョン・レノン スーパー・ライブ2008」を日本武道館で開いた。プレゼントした学校は22カ国、85校になる。
8日のコンサートでは、絢香、奥田民生、ゆずら15組22人がレノンの曲を歌った。最後は全員で歌う「イマジン」。チケットの売上金でフィリピン、ベトナム、エチオピアなどの7カ国に10校を建設する予定だ。
ユニセフ(国連児童基金)によると、小学校に行けない子どもは世界で9300万人いる。オノさんは「親を亡くしたり、家を失ったりした子どもがたくさんいる。あまりにも不公平で、助けなければという強い気持ちからでした。食料は食べたらそれっきり。でも教育は身につければ一生のもの」と学校建設という支援を選んだ。
第1回のコンサートは01年。米国で同時多発テロが起き、アフガニスタン空爆が始まった翌日の開催だった。5回目以降、チケットは発売と同時に完売する人気で、今回も1万3千枚を用意し、すぐに売り切れた。「世界が平和になるまでこのコンサートを続けたい」という。
「今、世界は経済ショックで絶望的になっている。だからこそ、美しい夢をみんなで見て、世界を明るくすることが大事なのです」
世界中のみんなが幸福に、と願うオノさんの夢は大きい。でも「私の夢は案外早くかなうかも」とほほえむ。「みんな戦争に嫌気がさしているでしょう。戦争して傷つけあうより、平和に暮らす方が楽だってわかってきたんじゃない?」
現在75歳、世界を飛び回る日々が続く。「愛のもてないことをする時間は私にはない。愛していることをする。それが一番体にいいのよ」