19日正午ごろ、兵庫県播磨町新島の駐車場に止めてあった軽乗用車内で、男性と少女2人の計3人がぐったりしているのを通りかかった人が見つけて110番通報した。加古川署が調べたところ、同町で食品販売店を営む杉本幸一さん(34)、中学1年の長女ほのかさん(13)、小学6年の次女つかささん(12)で、すでに死亡していた。助手席の窓に「硫化水素発生中」と書かれた張り紙があり、同署は心中とみている。
同署などによると、3人は車の後部座席に並んで座った状態で、車内に薬品の入った洗面器などがあった。幸一さんが書いたとみられる遺書もあり、仕事に関する悩みなどがつづられていた。幸一さんと離婚して同県明石市に住む元妻の自宅には18日までに、娘たちが書いたとみられる遺書めいた手紙が届き、「ありがとう」「ごめんなさい」など感謝の言葉がつづられていた。心配した元妻が幸一さんの親類に連絡し、18日深夜に明石署に捜索願が出されていた。
つかささんと同じ小学校に娘が通う近所の女性は「2人の女の子はいつもにこにこして仲がよく、とても良い子たちだった。お父さんもとてもまじめに働いていて、本当に普通の家族だった」とうつむいた。
現場の駐車場は、兵庫県南部の播磨灘に突き出た人工島内の工場街にある。