27日、バグダッド南部で感謝祭を祝う食事をとるイラク駐留米兵ら(ロイター=共同) 米軍、11年に全面撤退 イラク議会が地位協定承認【カイロ27日共同】イラク連邦議会は27日、2011年末までの米軍全面撤退を定めた地位協定案を賛成多数で承認した。これによりイラクからの米軍撤退に明確な道筋がつけられた。一方、協定案は来年以降の米軍駐留を可能にするもので、外国軍駐留の根拠となる国連安全保障理事会決議が年末で期限切れとなるのを目前に、治安の空白が生ずる事態は瀬戸際で回避された。 イラク側の正式な承認には最終的に大統領評議会の承認が必要だが、承認は確実とみられる。撤退期限を示した協定案の議会承認を得たことで、米軍の駐留長期化への反発が強いイラク国内で、イスラム教シーア派が主導するマリキ政権は基盤を強化した。しかし実力不足が指摘されるイラク部隊が治安維持の主役を担うことで、同政権には正念場ともなる。 一方、議会はスンニ派会派の要求を受け入れる形で協定の是非を問う国民投票を来年7月30日に実施することも承認した。協定の有効性に対する新たな障害として浮上する可能性がある。 協定案はほかに(1)09年6月までに都市部などから米軍戦闘部隊が撤退(2)任務外の米兵による重大犯罪はイラク側が第1次裁判権を持つ(3)米軍はイラク側の令状なしに家宅捜索しない(4)イラクを他国への攻撃拠点としない-などを規定した。
【共同通信】
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