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【コラム】韓国は果たして統一を望んでいるのか(下)

 韓半島政策を4年間担当したケリー前次官補の分析は、分断国家の韓国が米国の目にどう映っているかを正確に物語る事例だ。米政府関係者と韓半島専門家は韓国国内で北朝鮮の人権について切り出すと、「またその話か」とうんざりされる状況をよく知っている。彼らは保守政権発足後も北朝鮮の脅迫に屈服し、与党代表までもが民間団体の北朝鮮に対するビラまき活動を阻もうとしている韓国の状況を注視している。「脱北者は韓国の大統領と会うより米大統領と会うほうが容易だ」とあざ笑う韓半島専門家もいる。

 ワシントン・ポストが最近国際面のトップ記事と社説で北朝鮮の強制収容所を脱出した申東赫(シン・ドンヒョク)氏について報じ、韓国の北朝鮮に対する無関心さを指摘したのもそんな脈絡からだ。同紙は「申氏が暮らす韓国で彼の本を買ったのは500人だけという事実は驚くべきことだ」と皮肉った。

 問題は米国の韓半島専門家とメディアの分析に対し恥ずかしいというだけでは済まされないことだ。韓国の北朝鮮に対する無関心さと韓国が北朝鮮の脅迫に相次いで屈服している現実は、米国の対韓半島政策の形成にそのまま反映される。米国務省、国防総省の政策決定担当者は韓半島政策を論議する際、ケリー前次官補のように当面は韓半島統一ではなく、現状を維持すべきだと主張する可能性がある。

 北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の健康不安説が浮上し、北朝鮮は「あす処理しても構わない問題」から「きょうの問題」に変わったのが現実だ。韓国社会が全体的に北朝鮮に対する態度を変えない限り、ワシントンの韓国に対する批判的な視角を変えるのは困難に思える。

ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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