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【コラム】韓国は果たして統一を望んでいるのか(上)

 現在米国務省で韓半島(朝鮮半島)政策を統括している東アジア太平洋担当次官補はクリストファー・ヒル氏だが、4年前にそのポストにいたのはジェームズ・ケリー氏だった。

 北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議で米国の初代首席代表を務めたケリー前次官補は対北朝鮮穏健派で、現在のヒル次官補に劣らず注目を浴びた人物だ。だが、多弁なヒル次官補とは異なり、弁が立たないケリー前次官補は韓国に対する自身の考えを明らかにしたことはほとんどない。昨年5月にケリー前次官補にインタビューした際にも、北朝鮮に関する発言が主体だった。

 そんなケリー前次官補が、米ニクソンセンターが発行する外交専門誌『ナショナル・インタレスト』最新号に韓国に対する批判的な分析を掲載した。

 ケリー前次官補は「当面は二つ(Two For Now)」と題する寄稿で、米国社会の一部で指摘されている北朝鮮崩壊論の問題点を批判した。北朝鮮を除去することは希望に過ぎず、それを急に進めることは危険で多額のコストがかかるという主張だ。

 ケリー前次官補が韓半島の現状維持の重要な論拠として挙げたのは韓国社会の北朝鮮に対する態度だった。彼は「韓国の飛躍的な成功は、皮肉なことに韓国国民に現状のままで十分だと思わせた」と指摘した。また、韓国人は観念的には統一を望んでいるが、経済的な窮乏と北朝鮮住民を吸収する上での潜在的コストを恐れていると評した。その結果として、「北朝鮮に対する極度の無関心が生まれ、韓国政府は政治的傾向とは関係なしに北朝鮮との緊張を避け、北朝鮮に保護費用まで払っている」と分析した。

ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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