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山谷はグッドな宿泊所です 外国人旅行者に人気、満室も

2008年12月18日18時13分

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写真外国人宿泊者でにぎわう「ホテルニュー紅陽」のロビー=東京都台東区日本堤2丁目

 台東、荒川両区にまたがる労働者の街・山谷地区で、外国人相手の簡易宿泊所がにぎわっている。不況や円高にもかかわらず、クリスマスから正月にかけて予約で満員の宿もある。人気の理由の一つは28〜30日、東京ビッグサイト(江東区)で開かれる漫画同人誌の即売会「コミックマーケット」。アニメやマンガ好きの「外国人オタク」が来日し、宿泊するという。

 山谷地区の簡易宿泊所でつくる城北旅館組合によると、加盟店170軒のうち外国人の宿泊が多いのは11軒。合計すると、推定で1日平均約200人が宿泊しているという。宿泊客で最も多いのが欧州系の人たちで4割強を占める。宿泊料は1日千円〜3500円程度。どこも英語の看板や料金表を掲げている。フランス人の支配人を雇っている宿もある。

 広報担当の帰山哲男・副組合長(57)は「秋から12月上旬にかけて客足が遠のくのは例年のパターン。これまでのところ円高の影響はない」と言い切る。アニメ好きの外国人が常客で、少しでも宿泊費を抑え、秋葉原で買い物をしようという人が集まってくるという。

 特に毎年、夏と冬に開催され、外国人を引き付けているのがコミックマーケット。この時期は満室になる宿泊所が多い。帰山さんが営む「エコノミーホテルほていや」(70室)は「コミックマーケット目当てと思われる外国人の予約が殺到している」。弟の博之さん(54)が経営する「ホテルニュー紅陽」(72室)も現在は約2割が空室だが、「クリスマスから正月にかけては満室になる」という。「円高の影響で外国人観光客の来日が減っているのは事実だが、日本に強い興味を持っている外国人は別だ。むしろ円高だと、安宿の需要は高まる」と博之さんは言う。

 13日から宿泊しているスペイン人の大学生アルカルデニ・エドワルドさん(21)は「日本のサブカルチャーに興味があるので観光にきた。円高もあって安宿を探していた。この地区はナイスとは言えないが、静かで安全だと思う」と話している。(杉本宏)

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