手術後に座骨神経がまひしたのは担当医のミスが原因として、由利本荘市の本荘第一病院で腫瘍(しゅよう)の摘出手術を受けたにかほ市の男性(40)が病院を運営する医療法人青嵐会などに約1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、秋田地裁であった。鈴木陽一裁判長は「治療行為に問題はなかったが、説明義務違反があった」として600万円の支払いを言い渡した。
判決は、担当医が男性側に手術の危険性に関して具体的な説明をせず、手術の利害得失を理解したうえで手術をするかどうかを決める機会が奪われたと判断。損害賠償を命じた。まひについては担当医が止血をする際の圧迫によるものと判断。治療行為に過失は認められないとし、「治療で神経を切断した」とする原告の主張は退けられた。
男性は手術翌日の05年7月5日から座骨神経まひの症状が現れ、今も完治していないという。病院側は判決について「インフォームドコンセントの面も含め、力の限りを尽くしたが認められずに残念だ」とし、控訴については「今後弁護士と相談してから決めたい」としている。【坂本太郎】
毎日新聞 2008年12月20日 地方版